火曜日, 7月 15, 2008

20位 72分58秒 予選通過ならず


なだらかな丘が延々と続くツートンカラーの牧草地と森。車を降りて、緩い丘に登る一本道をプレスタートに向けて歩く。朝露で濡れた草の匂い。典型的な中欧の牧歌的風景に「チェコに来てるんだな」と改めて感じる。いよいよ予選。3年ぶりのWOCのスタート地区。

最近のIT技術の進歩は目を見張るものがある。前日の夜に、ブリテンに乗っている緯度経度情報と地図から、Google Earthでテレインの全容は予習済みだった。川沿いの急斜面が特徴的な西側と、平坦な東側。2つの森を分断する牧草地。スタート位置とゴール位置から、前半は急斜面後半は緩斜面。ルートチョイスが鍵を握る前半と、トリッキーな植生の中のファインなオリエンテーリングが中盤以降。

スタートが近づくにつれ感じる緊張感はやっぱりWOC。座っていても心拍が高い。モデルマップのジョギングですぐにHRは150を超える。それでもスタート時は思いの他冷静になれた。

10.9kmup400mのコース。概ね予想通りの展開だった。前半は菜花台を思わせるテレイン。ロングレッグで飛ばした中盤以降は、切りと開きと見通しの悪い森のいやらしいコンビネーションにコントロールが集中する。それでも頭を捻るようなルートチョイスはなく、比較的素直なコースだといえるだろう。

明らかなミスは2番の崖付近を少しうろった30秒程度。その他は10秒程度のロスを何回か感じたが藪のコントロールではある程度やむを得ない。ほぼ今の実力を出し切ったと思う。体力的にもほぼベストだった。70分のレースでHR平均は176。道走りや登りでの追い込みにも身体は反応してくれた。

結果はトップと12分差の72分台。ボーダからは3分45秒程度。20位。対トップ比120%は過去の成績と比較しても決して悪くはない。しかし予選通過はならなかった。

今の走力、ナビゲーション技術の限界ギリギリのレースは出来た。残念だが実力が足りない。この結果は自分のこの1年の準備を表す、とても正当な評価なのだ。そう思うとゴール後に何ともいえない充実感が沸いてきた。何故か目が潤んできた。こんな感覚をWOCレース後に感じたのはいつ以来だろう?

ダウンをしに会場から延々と続く牧草地を走った。青空に柔らかい緑の牧草地。こういう風景の中、レース後の疲労を癒すダウンジョグが出来る幸せ。

思えばこの1年、いろいろな人の好意、協力の元に走り続けてきた。当初目指した予選突破は達成できなかった。日本チームの成績にも目に見える貢献はできなかった。

それでももう一度目指して走り続けてよかった、心の底からそう思う。

この日残念ながら男子、女子ともに予選通過はできなかった。
明後日はミドル。選手の応援に廻る。力をためていた善徳や俊介も出走する。みな予選通過目指してがんばれ!



月曜日, 7月 14, 2008

世界遺産とスプリント


オロモウツの市庁舎広場にある聖三位一体の碑は世界遺産にも登録されてるらしい。
文化財を多く残す、歴史的景観のある街である。
その世界遺産を取り巻くように観客が集まり、開会式に引き続いてスプリントの決勝がスタートした。
こういう舞台で走れる権利を得た90人の選手。その中にいる番場さんは本当に素晴らしい。

歓声の中選手はスタートレーンを駆け抜けていく。市庁舎の角を曲がってスタートフラッグから旧市街の路地に消えていく。
ガイドブックに乗る名所をいくつか通りながら公園を走り、また戻ってくるまでにわずか13,4分。その間の走りも映像で会場に届く。会場で待つ観客はレースの状況が手に取るようにわかる。男女各1時間の競技時間まったく飽きることはない。

スプリント競技が世界選手権に採用されて7回目となる。街中をアリーナとするのは2003年以来だが、もっともスプリントイベントとしての魅力を発揮するのは今回のようなアーバン(街中)タイプである。アーバンタイプの場合は競技性、公平性を確保することが時として難しく、議論の対象にもなる。しかし、今回のようなスポーツイベントとしての成功を見ると、競技性を若干犠牲にしてでも、こうしたアリーナを用意した街中スプリントをするべきではないか、と感じる。

女子はシモーネ、ハニー不在の混戦の中、EOCでも優勝したノルウェーのアンネ・マルグリッテ・ホークセンが完勝。32歳にして遅咲きの初優勝を飾った。フィンランドのミナが2位。順当な結果ではある。地域性の全くない今回のようなレースで結局上位に北欧国旗が多く並ぶのは、やはり層の厚さだろうか。
中国選手が18位に入る健闘。その他2名の決勝選手は失格となったが、タイム的には10位台を狙える走りだった。成長著しいが、スタート、ゴールレーンを走る中国選手の走りを見る限り、今回の成績は潜在能力の片鱗でしかない。入賞を達成する日もそれ程遠くないだろう。
番場さんは36位。1番までのロングレッグでロスをしたとのことだが見事な結果である。日本唯一のファイナリストにチームは勇気付けられ、ポジティブな出だしを与えてくれた。
男女とも1番まではルートチョイスのあるロングレッグだった。スタートフラッグ直後の細い街路にうまく入れないとミスに繋がる。なかなか捻ったコンセプトだけど、トップ選手は難なくこなしているところを見るとやはり決勝のレベルは高い。

男子はロシアのアンドレイがスイスのダニエルを秒差でかわして優勝。2005年のロングに続いて強さを見せた。もはや今はオールラウンダーとして歴史に残るランナーの1人に数えられるだろう。ダニエル・フブマンはスプリントで3度目の2位に泣いたが、若手実力No.1の選手としてその安定した実力を見せた。一方過去2連覇しているスウェーデンのエミルは、中継コントロールをスルーして失格。スクリーンでその瞬間を何千人の観客に目撃され、残念な結果となった。

選手として一度は走りたいと思わせるような、WOCスプリント。
スプリントには可能性がある、日本では時にそういわれる。確かに地域性がほとんどない分、欧州から遠い日本のハンディは小さい。しかし今回の決勝を見ていて、フィジカル面だけでなく、ナビゲーションにおいても、レベルの高さが印象に残った。
可能性はもちろんあるが、可能性を現実にしていく、その方法と実行。真剣に考えねばなるまい。

もっとも今はそんなことを考えている時ではない。帰りの飛行機までとっておこう。

木曜日, 7月 10, 2008

カオスから秩序へ

熱くなりやすい営業が、仕事の進め方をめぐって激しく言い争い始めた。
その間にも時計はちゃくちゃくと進む・・・・。終了予定の3時を過ぎても議論は収束しない。
部門の将来には重要なプロジェクトだ。会社の命運を左右するだけに誰だって成功させたい思いは一緒である。まじめだからこそ熱くなる、とても信頼できる輩だ。
でもこの今は勘弁して・・・。

ああ、だからこの時間のセッティングはやばかった・・・。
頭の中で、残りの2時間ばかりの優先順位に思いをめぐらせているうちに、ようやく妥協点が見つかったようである。会議は収束を向かえた。その良し悪しは別として、「それじゃ」と手短に会議室を飛び出た。

時計はすでに4時近い。席に戻ると2,3の電話メモがあったが、幸い不吉そうなものはない。2,3分づつの話でいずれも片付いた。
「すみませんが、明日から来週いっぱいいないもので・・・火急の場合は個人アドレスにメールをいただければ1,2日で返事はできると思います。」
そんな言葉を付け加えて電話を切る。
メールはやや重たいのがきてた。これの回答を10日は伸ばせない。
時計を気にしながら書類に目を通し、コメントを付して返信。
机の上の整理。昼のうちに上司に引き継いでいた要注意ファイルに大急ぎで、要点になるところに付箋をつけ机に並べる。
タイムリミットはあと20分。「まだいかなくていいの?」同僚が心配そうに気にかけてくる。
最後にチェックしようと思った図面はあきらめた。帰国後に処理しますと、メールを打った。
ふう、これでおしまい。

今日は思いがけないことがあった。昼の休みに上司が、グループや近隣部署のメッセージを書いた会社のロゴ入りのTシャツを手渡してくれたのだ。いつのまに用意したのか。あまりにも思いがけないプレゼントだったので、思わず涙腺を刺激された。今まで10年以上会社にいてこんなことは一度もなかった。

今の部署は決して業績が良いわけではない。社内の風当たりも強い。それでも部内の雰囲気はよく、今後がんばっていこうというチームワークはあるように思う。そんな今の部署の暖かさを感じた。
今回はさらに上司の根回しで短期ボランティア休暇という扱いとなり、特別休暇をいただいている。

会社では自分の活動をそれほどPRしてきてなかった。最近は特に隠していたようなところもある。
いい年して、という勝手な引け目を感じていたせいもあるが、
自分がそれなりに人生かけて打ち込んでいるオリエンテーリングのことなんて、普通の人に理解してもらえるわけない、そんなあきらめというかさめた心があったように思う。
10日もいなければそれなりに周りに負荷がかかるはずなにに、これだけ暖かく見送ってくれた上司同僚に、そんな今までの自分の態度を少し後悔した。

会社に入って7回目のWOC遠征、でも今までとはどこか違う気持ちで、「ではいってきます」と部署を跡にした。

トイレで大急ぎで着替え、天空橋から京急で品川へ。駅では身重の妻がスーツケースとトレランシューズをもって出迎えてくれた。
「パスポートもった?」「航空券は?」いつもの厳しいチェックをなんとかパス。
「留守中に産んじゃわないようにね。」
別れを告げて成田エキスプレスに乗った。

さあて、エールフランスの夜行便は夜10時発。あとは一路オロモウツぬ向かうのみ。

金曜日, 7月 04, 2008

出発前のカオス

出発まであと一週間を切った。

WOCへの遠征前には、信じられないくらい競技への集中が薄れる時期がある。
頭の中はいかにして残りの時間で仕事をやりくりするか。毎回のことだから慣れっこではあるけれど、遠征の前は10日間のブランクを乗り切る仕事の山に胃がきりきりしてくる。かといって遅くまで残業をして体調を崩すわけにはいかない。周りは、のん気に遠征のことをいろいろ聞いてくる。「いいねえチェコ。メダル当然だろ?」なんだか感心してんだか皮肉ってんだかわからないような言葉。軽口も叩けず本人は「本当に飛行機乗れるかなあ・・」と真剣に心配なってくる頃だ。
おまけに今週は、自分の壮行会を含めて2夜連続の飲み会。飲み過ぎないように自重して参加。皿に料理を載せながら、カロリーと脂質の量を無意識に頭で暗算。あーあ、何やってんだ俺。

それでも金曜を終えて、大分目の前のカオスが解けてきた。ふう。
あと4日ある出勤日のやりくりが見えてきた。トレーニングのテーパリングも頭の中でイメージ。
いつもよりは大分ましな状態である。ようやく3年ぶりの欧州に行くワクワク感が少しづつ。

今日は、久しぶりに電車に乗った時間も利用してチェコのマップリーディング。課題をもう一度整理。
10月遠征組みの地図とルートプラン練習が役にたっている。

気がつけば妻も臨月。家族の一大イベントもその直ぐ後に迫っている。盆と正月が一緒に来る7月がいよいよはじまった。

水曜日, 7月 02, 2008

196

競技を続けていると、ほんの些細なこと。他の人にはどうでもよいことに嬉しくなり、それだけで気分がよくなることがある。
でもそれで、自分のモチベーションが向上して、ポジティブに物事が進めばそれでいいのだ。

久しぶりに1人で走った10000mペース走、最後の追い込みでHR196を記録。
自己最高値タイは2年ぶりくらい。190を超えたのも半年振りくらい。
別にHRが高いのはいいことでもなんでもないのだけど、少なくとも疲労をためたりコンディションの悪い状態では最高HRは出ない。
6月最終週からトレーニング量を徐々に減らしたせいか、週末のバイオリズム最低状態から少しづつ上向いてきている。
よしよし、この調子。出発まであと8日。

火曜日, 7月 01, 2008

雨男

なんとなく陰鬱な響き。
悪い人ではないけど、どことなくじめっとして幸せに縁が遠そうな人。

と、いいつつ自分はもしかして・・・。

つい先日の5月に準備した八ヶ岳合宿の2日間、これでもかっという冷たい雨雨雨。
そして、日曜日に言いだしっぺで主催したスプリント練習会も、午前からずっと雨の中。
駒沢公園でずぶ濡れの練習を終えた後、本郷の2本目の予定は選手の体調も考慮してキャンセルした。
「本当の雨男は、雨を降らすだけが能じゃないよ。退いたあとにいかに晴れをもたらすかだ」
とどっかで書いてあったけど。。。。
午後帰宅して、びしょびしょの荷物を一しきり片付けて外を見ると・・・・、調度本郷スプリントを予定していた3時、一時的に雨は止んでいた。

練習は結局加藤君が声をかけて今週末の日曜日に延期。

あーあ、なんともさえない週末。おまけに体調は下り坂で月曜日は午前休。
出発まで10日間。焦ってもしょうがない。
後は身体の調子を整えるのみ。

信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...