A5 オグナほたかスキー場 12:33:39 75km 総合24位
デポジットのエイド。ここまでは13時間はかかると思っていたので、想定よりは良いペースだ。このままのペースだと22時間の目標は達成できるかもしれない。
今回も用意していたToDoListメモに従って、アミノバイタルを飲み、後半用の食料と眠眠打破をカバンに入れる。寒さは感じておらず、着替えはしないことにした。座ると落ち着いてしまい走る気が失せそうなので立ったまま作業。
自分の直ぐ後に、武尊山以降何度か抜きつ抜かれつしている長身の若い選手が到着した。ちょっとさわやかな彼は鈴木祐児さんというお名前の選手。二三会話をして後半のお互いの健闘を祈った。僕の方が先にエイドを出た。
エイドを出るとあたりは薄暗くなっている。森に入るとすっかり夜、ヘッドライトを点灯する。少し登ると、その後は比較的快適な下りがずっと続き、70Kの選手を抜きながら走る。沢沿いの道なのでところどころ泥濘がひどい。なるべく固い所を選んで走ってたつもりだが、暗い中よく地面が見えずに、一度着地を失敗し、見事に深い泥濘にはまってしまう。勢いで足を抜くと靴が脱げてしまった。慌てて手持ちのライトで足もと照らして靴を探す。幸いすぐ見つかったが深くはまった靴を出すのは一苦労だ。取り出した靴の泥を払って履きなおす。2,3分のロスだろうか。
気を取り直して下るとやがて舗装道に出る。残り50km地点。少し舗装道を走って沢合いの砂利道を登り返す。それほどの傾斜ではないので走ったり歩いたり。まだ調子は悪くない。やがて下り基調になりA6が見える。
A6 赤倉林道分岐 13:59:49 84km 総合20位
結果的にいうと、ここがレース中一番順位が良かった。自分の感覚でもここまではほぼスタートから同じペースで走れていたと思う。この後疲労や胃腸のトラブルで徐々にペースを落としてしまいその分順位も落ちた。
エイドを過ぎて砂利道を緩やかに下る道が続く。やがて70kmコースとの分岐を超えて右に道は続く。まだまだ快適に走れ、途中1人抜かす。恐らくここが最高順位点だ。砂利道が終わり残り39Km地点を過ぎると、舗装道を緩やかに登り返す。
ここの登りから疲労感を感じるようになる。走ったり歩いたり。無意識に後ろをちらちら振り向いてしまう。弱気になってる証拠だ。さっき抜いた選手の明かりが少しづつ近くなってる。残り35K地点のキャンプ場でライトはすぐ後ろに来ていた。ところがライトは一つではなくどうやら3つある。
自分のペースが鈍ってる証拠か。意識して維持するが、すぐに2つのライトに抜かれる。A5で一緒だった鈴木さんと、女子トップの大石さんだ。二人とも談笑しながら軽々と走ってる。とてもついていけるペースじゃなかった。(実際ここから1時間30分近い差がついているが、そのくらいの差を感じるペースだった)
2つのライトはほどなく登っていくシングルトレイルの斜面に消えていった。
もう一つのライトはA6の後に抜いた選手だった。こちらの選手には一度追いつかれたが、ペースは変わらず、こちらが少し先行した状態が続く。だいぶきつくなっていたので、近くに選手がいるのは、ペースがずるずる落ちない点でありがたかった。
300mほどの標高差の斜面は随分長く感じたが、やがて尾根に乗り、斜面を下り始めた。途中かなり急な下りもあり、脚の大腿二頭筋が悲鳴をあげる。最後まで持つか不安になってくる。それでも後ろの選手のライトは徐々に遠くなってきたので、そのことに勇気づけられて一歩一歩下る。
舗装道に出たあたり、W3まであと2キロくらいのところで急に空腹を感じる。ところが下りの衝撃のせいか胃が気持ち悪くなりはじめた。ずっと食料にしてきたドライフルーツを口にする気がしない。このままだとペースが落ちてしまうので、最後のエイドまで残す予定だったアミノバイタルのゼリーを補給する。
W3 樹恵里前 101km 16:18:46 総合21位
水を少し補給して、直ぐに次に向かう。舗装道を登りながら、胃の状態が悪くなってることに不安を覚える。手持ちの食料で今身体が受け付けてくれるものがない。幸いスポーツドリンクが少しあるので、そのわずかなカロリーくらいだ。次のエイドまでもてばよいが。
この区間はほとんど前の山と同じように進んだ。つまり後ろに見える位置に後続のライトがあり、それに追われるように登り、下る。 下りで一人、止まっている選手を抜いた。ありがたいことにハンガーノックにならずにA7につくことが出来た。
A7 太郎大日堂 106km 17:32:17 総合20位
最後のエイドだ。ここでしっかり補給しなければならない。幸いうどんは体が受け付けてくれたので暖かいうどんをよく噛んで食べる。コーラも補給できた。3年前のUTMFにやはり胃をやられた時は、少し良くなってパンを食べた経験があるので、パンを2つ3つほどもらっていく。
エイドでピットインした時間は6分程度だったが、その間に5,6人の選手がきた。その中には2位の女性の加藤さんもいた。皆、僕より元気そうだ。全員に抜かれる形でエイドを出た。
直ぐにペースを上げられずとぼとぼ歩くと、前のライトの集団は徐々に小さくなった。ペースがだいぶ鈍ってるなあ。大分弱気になってくる。でも最後4時間かかっても22時間は切れる。なんとか我慢して行こう。
ゆるい傾斜のロードが延々と続く。普通なら軽く走れる傾斜だが、今の状態だとすぐ歩いてしまう。でも歩くには緩すぎる。ちょこちょこ走っては歩くを繰り返す。
W4 浅松山 110km 18:27:37
ここは水も不要なのでスルー。
やがて砂利道になったところで、前に一人の選手のライトが近づいてきた。ちょっと勇気づけられる。並走すると、その選手はA7の前で一度抜いた選手だった。眠気がひどくペースが落ちたらしい。自分は胃の調子がおかしい。お互いトラブルを抱えて何とか進んでいる。やがてその選手とは別れ、自分のペースで前に先行する。
その後コースは砂利道から森に入って軽いアップダウンの道が続く。本来快適なトレイルのはずなのに、ぺースは上がらないので辛いだけだ。
徐々に空腹を感じてきた。パンを少しかじってみるがまったく胃が受け付けない。ドライフルーツも、シリアルバーも食べる気がしない。残りは200mLほどの残ったスポドリだけ。しまった。考えてみればA7でスポドリをたくさんもらって補給すればよかった。そのことに気づかなかった自分を悔いた。
もうろうとしている70kmの選手を一人、一人と抜いていく。逆に120kmの選手に一人、また一人、と抜かれた。二人目は女性の選手だった。武尊山付近で一緒だった政選手だ。頑張ってください、と声をかけると元気に斜面を降りてあっという間に闇に消えた。
もう空腹で脚が動かない、という状態になる。残り7kmくらい。しょうがないので小さな尾根の上に座って残りのスポドリを全部飲んだ。もうこれ以上胃に入るものはない。
立ち上がって走ると少し元気が出てきた。下りを走ることができる。ペースを少しつかんでしばらく行くと、女性の選手を一人抜いた。山之内選手だ。前半非常に良いペースだったみたいだが、何かトラブルがあったのだろうか。一声かけて追い抜いた。
W5 124km 20:51:10
水を少し飲んで進む。少し胃が良くなった感じがして、ドライフルーツをほんの少し口に入れる。よく噛んでみると飲み込むことができた。また、少し元気も出た。
最後のエイドからは、想像以上に困難な急な下り斜面が多い。最後にこれでもか、という気持ちであるが、もうここは根性で進むしかない。足場の悪い急斜面で脚の筋力はもう期待できないので、パチンコ玉のように木から木に身を寄せ手もつかって降りていく。
やっと平らな集落の道に出た。最後のあぜ道を過ぎ、ロードを走って橋を渡る。ああこれでおしまい!
Finish 129km 21:38:52 総合23位 男子20位
22時間を切れたのは想定外だった。最後のA7で一緒だった人は21時間代の前半だから、最後の山で20~30分ペースが鈍ったことになる。でもトータルすれば良く力を出し切れたと思う。
真夜中の冷える空気の中、靴下を脱ぐのに本当に苦労した。でもその後のお風呂はこの上なく気持ちよかった。
結果的に年代別の順位は4位。3位まで表彰なので、UTMF2015に続いて1位差で表彰を逃した。良いレースの分、終わってみると少し欲も出るけど、やはりこの順位が実力かな。
土曜日, 11月 25, 2017
武尊山 Skyview trail 2017 その2 前半
スタート AM5:00 0:00:08 総合63位
小雨が降っている中でのスタート。まだ夜明け前なのでライトを点灯。畑の中を2,3kmほどペースを自重して進める。やがて緩やかなトレイルを登り始める。序盤は比較的緩やかで、体があったまるまで動きが固い自分には、マイルドで助かるコース。
途中再びロードに出る。この頃には付近も明るくなった。再びトレイルに入ると、尾根から急激な谷の斜面を下り、沢を渡って伐採地のような斜面を登り返す。この部分は泥濘がかなりひどく、苦戦している人を数人抜いた。今日は全体的にこういう部分が多いかもしれない。
尾根に上り返して、しばらくいくとロードの下りになり、ほどなくA1に到着
A1 川場 1:36:26 12km 総合80位
軽く水とバナナを食べてすぐにスタート。ここからは剣が峰に向けて一気に登る。心拍を150程度で保つように時計を時々見ながら登る。このあたりからは周りのペースも落ち着いてくるのでペースがつかみやすい。スタートして3時間をちょっとすぎたところで剣が峰に到着。
頂上を超えてすぐに急な斜面の下りになるが、岩がちで急な斜面の泥濘がひどい。身の危険を感じる程ではないが、バランスを崩すとケガをしそうだ。周りの木の枝や根をつかまってアスレチックのように下る。こういう部分はそれほど不得意ではないけれど、一人軽快に下っていく選手に追い抜かれた。
ようやく脚だけで下れる斜面になる。何度か転んだので手と持っていた地図が泥んこに。途中の沢水で洗い落した。そのうち、だんだん快適な下りに。砂利道に出てしばらいく行くと給水ポイント。
W1 3:57:13 23km
500mLのボトルを1本もらって直ぐに進む。この区間はずっと舗装されたロード。ペース良く進む。最後はスキー場を下ってA2へ
A2 宝台樹スキー場 4:25:28 OUT 28km 総合64位
バナナ、水、コーラなどの補給。次はいよいよ武尊山に向かう。A3までは4時間近くを予定したので、ボトルにもしっかり水を補給した。エイドを出ると、見晴らしの良い一面緑のスキー場を延々と登る人が見える。ざっと数えても見える範囲に20人以上はいるだろうか。自分のペースで淡々と進むと、一人、また一人と少しづつ抜いていく。30分ほどで登り切り、その後下りとロード。さらに2,3人抜く。
W1 5:12:30 34km
ここでも500mLの水をその場で飲んですぐに走る。A2に向かう沢山の選手とすれ違う。道は徐々に登ってロードから砂利道の登りへ。途中宿で部屋が一緒だった選手がすれ違い様に挨拶してくれた。ちょっとのことだけどお互い元気が出る。
砂利道からやがてシングルトレイルとなり、深々とした森の中をつづら折りで登っていく。武尊山への一気登り。呼吸のリズムを整えて一歩一歩丁寧に歩く。途中、女性の選手を一人抜いた。
かなり登った後に、ようやく尾根に乗る。少し進むと一度尾根からはずれて急な斜面を梯子で降りるルート。その先急斜面に延々と笹の藪を刈ってトレイルが用意されている。この区間はわざわざ大会のために用意した迂回ルートらしい。主催者の方の苦労が偲ばれる。この部分も泥濘で三歩進んで二歩下がるみたいな箇所が何度かあった。
W1からそろそろ2時間も近いという頃に、上の藪から人の声が聞こえた。武尊山の頂上だろう。ところが尾根につくと、「武尊山の頂上はすぐそこですよ」という声が。実は頂上はルート上になく、少しだけはずれるらしい。疲弊していたけど少しなら、、とルートをはずれて山頂まで行き、タッチして戻る。30秒くらいか。
武尊山からしばらくの尾根は景色が本当に綺麗だった。岩がちな尾根線の下に笹原が延々と下まで続いている。空は真っ青なので、青緑灰色のコントラストがくっきり映える。
岩場のトレイルはそれほどテクニカルではないけれど、ところどころ泥濘ができている。既に前半で足元はドロドロだったので、、今更気にしてもしょうがなく、泥濘も気にせず進むしかない。
尾根道はやがて森の中に入り適度な下りになる。テンポ良く下れる緩い斜面は自分が一番得意なトレイル。気持ちよく下り、この区間で何人かのランナーを抜く。やがて開けた白樺の美しい林となり、A3の建物が見えてきた。
A3 武尊牧場キャンプ場 8:00:05 46km 総合41位
バナナとコーラ、水、3分以内で次に向かう。
ここからは比較的緩やかなロードが4キロほど続く。はじめは緩やかに下り、そのうち登りとなる。ここでUTMF2015で終盤何度か会った香山さんに追いつく。登りと下りの特性が全く違う二人なのだけど、トータルするといつも同じペースになるのが面白い。「お久しぶりです」と声をかけ、少し会話してからそれぞれのペースで進むことにした。
ロードが終わるころに、目前の見晴らしのよいスキー場の急斜面を直登する選手が点々と見えた。ここは標高差350mくらい。緑の草原に人影が20人くらいは見えただろうか。この日何度か経験するデジャブのような光景。
急激な登りは得意ではないので、周りのペースに惑わされないように登る。案の定香山さんともう一人にすっと抜かれてしまった。でも、ここで無理はしまい。
25分くらいかかったろうか。スキー場のてっぺんに登るとそこから反対側の草地を下る。重力に任せると足に負担が大きい下りだ。大腿二頭筋の負荷が大きいので少しジグザグ進んだりしながらペースを調節する。
結構な距離を下ったところで集落の合間のロードを少し走ると、再びスキー場を登る。さらに20分くらいだろうか。またてっぺんを超えて草原の斜面を下る。いい加減脚がつらいな、と思った頃に前から奥宮さんが登ってきて声をかけてくれた。まもなくスキー場のハウスが見えてA4についた。
A4 片品スキー場 9:46:03 59km 総合31位
ここでも休憩はバナナ、コーラ、水で2分くらい。
エイドを出てしばらくは畑と集落の合間を縫うロードを走る。前の区間で登り下りが激しかったので、筋肉の良い休養。途中歩いている香山さんを抜いた。登りは早いけど、平地は比較的ゆっくり進んでいるようだ。
道はやがて緩やかな登りとなる。まだ自分のペースは守れており淡々と登る。最後はシングルトレイルのつづら折りに。
やがて尾根を越えて下りに入ると、オリエンテーリングの尾根下りのような快適なトレイルが続く。気分よく下ると尾根先端の急斜面から、この日のために作られた仮設資材の橋を渡るとエイドについた。
W2 十二様 11:04:43 67km 総合24位
そろそろ時間的には半分か。水だけなので休憩はほとんどせずに次に進む。再びなだらかな登りからだんだん斜面はきつくなってやがて急なシングルトレイルへ。残りのコースをみると、ここを入れて大きな登りが5回残ってる。今日のコースのキツさが段々身に染みてくる。
400mほどの標高差を登りきると、いったん道は平たんな砂利道になるが、そこからさらにまた200mほど開けた尾根を直登するコンクリートの道。
前後を走る選手の数も減ってきて一人で走る場面が増えてきた。この辺りでふと疲れを感じる。まだまだ半分を漸く過ぎたところなのであるが。。。夕暮れも近づいてきてたことも気分的な落ち込みに影響してるのかもしれない。
登り切ると、切り返したような急斜面の下り。脚の前面(大腿二頭筋)の疲労がかなり蓄積してきた。がくがくになってきたおり、この下りはきつい。スピードを出しすぎないように我慢しながら下る。夕暮れ時で暗くなり始めた斜面がまだかまだかと続く。やがて急斜面から緩斜面のスキー場内の道に変わり、日暮れの中エイドが見えてきた。
小雨が降っている中でのスタート。まだ夜明け前なのでライトを点灯。畑の中を2,3kmほどペースを自重して進める。やがて緩やかなトレイルを登り始める。序盤は比較的緩やかで、体があったまるまで動きが固い自分には、マイルドで助かるコース。
途中再びロードに出る。この頃には付近も明るくなった。再びトレイルに入ると、尾根から急激な谷の斜面を下り、沢を渡って伐採地のような斜面を登り返す。この部分は泥濘がかなりひどく、苦戦している人を数人抜いた。今日は全体的にこういう部分が多いかもしれない。
尾根に上り返して、しばらくいくとロードの下りになり、ほどなくA1に到着
軽く水とバナナを食べてすぐにスタート。ここからは剣が峰に向けて一気に登る。心拍を150程度で保つように時計を時々見ながら登る。このあたりからは周りのペースも落ち着いてくるのでペースがつかみやすい。スタートして3時間をちょっとすぎたところで剣が峰に到着。
頂上を超えてすぐに急な斜面の下りになるが、岩がちで急な斜面の泥濘がひどい。身の危険を感じる程ではないが、バランスを崩すとケガをしそうだ。周りの木の枝や根をつかまってアスレチックのように下る。こういう部分はそれほど不得意ではないけれど、一人軽快に下っていく選手に追い抜かれた。
ようやく脚だけで下れる斜面になる。何度か転んだので手と持っていた地図が泥んこに。途中の沢水で洗い落した。そのうち、だんだん快適な下りに。砂利道に出てしばらいく行くと給水ポイント。
W1 3:57:13 23km
500mLのボトルを1本もらって直ぐに進む。この区間はずっと舗装されたロード。ペース良く進む。最後はスキー場を下ってA2へ
A2 宝台樹スキー場 4:25:28 OUT 28km 総合64位
バナナ、水、コーラなどの補給。次はいよいよ武尊山に向かう。A3までは4時間近くを予定したので、ボトルにもしっかり水を補給した。エイドを出ると、見晴らしの良い一面緑のスキー場を延々と登る人が見える。ざっと数えても見える範囲に20人以上はいるだろうか。自分のペースで淡々と進むと、一人、また一人と少しづつ抜いていく。30分ほどで登り切り、その後下りとロード。さらに2,3人抜く。
W1 5:12:30 34km
ここでも500mLの水をその場で飲んですぐに走る。A2に向かう沢山の選手とすれ違う。道は徐々に登ってロードから砂利道の登りへ。途中宿で部屋が一緒だった選手がすれ違い様に挨拶してくれた。ちょっとのことだけどお互い元気が出る。
砂利道からやがてシングルトレイルとなり、深々とした森の中をつづら折りで登っていく。武尊山への一気登り。呼吸のリズムを整えて一歩一歩丁寧に歩く。途中、女性の選手を一人抜いた。
かなり登った後に、ようやく尾根に乗る。少し進むと一度尾根からはずれて急な斜面を梯子で降りるルート。その先急斜面に延々と笹の藪を刈ってトレイルが用意されている。この区間はわざわざ大会のために用意した迂回ルートらしい。主催者の方の苦労が偲ばれる。この部分も泥濘で三歩進んで二歩下がるみたいな箇所が何度かあった。
武尊山山頂付近 Alsportsより |
武尊山からしばらくの尾根は景色が本当に綺麗だった。岩がちな尾根線の下に笹原が延々と下まで続いている。空は真っ青なので、青緑灰色のコントラストがくっきり映える。
岩場のトレイルはそれほどテクニカルではないけれど、ところどころ泥濘ができている。既に前半で足元はドロドロだったので、、今更気にしてもしょうがなく、泥濘も気にせず進むしかない。
尾根道はやがて森の中に入り適度な下りになる。テンポ良く下れる緩い斜面は自分が一番得意なトレイル。気持ちよく下り、この区間で何人かのランナーを抜く。やがて開けた白樺の美しい林となり、A3の建物が見えてきた。
A3 武尊牧場キャンプ場 8:00:05 46km 総合41位
バナナとコーラ、水、3分以内で次に向かう。
ここからは比較的緩やかなロードが4キロほど続く。はじめは緩やかに下り、そのうち登りとなる。ここでUTMF2015で終盤何度か会った香山さんに追いつく。登りと下りの特性が全く違う二人なのだけど、トータルするといつも同じペースになるのが面白い。「お久しぶりです」と声をかけ、少し会話してからそれぞれのペースで進むことにした。
ロードが終わるころに、目前の見晴らしのよいスキー場の急斜面を直登する選手が点々と見えた。ここは標高差350mくらい。緑の草原に人影が20人くらいは見えただろうか。この日何度か経験するデジャブのような光景。
急激な登りは得意ではないので、周りのペースに惑わされないように登る。案の定香山さんともう一人にすっと抜かれてしまった。でも、ここで無理はしまい。
25分くらいかかったろうか。スキー場のてっぺんに登るとそこから反対側の草地を下る。重力に任せると足に負担が大きい下りだ。大腿二頭筋の負荷が大きいので少しジグザグ進んだりしながらペースを調節する。
結構な距離を下ったところで集落の合間のロードを少し走ると、再びスキー場を登る。さらに20分くらいだろうか。またてっぺんを超えて草原の斜面を下る。いい加減脚がつらいな、と思った頃に前から奥宮さんが登ってきて声をかけてくれた。まもなくスキー場のハウスが見えてA4についた。
A4 片品スキー場 9:46:03 59km 総合31位
ここでも休憩はバナナ、コーラ、水で2分くらい。
エイドを出てしばらくは畑と集落の合間を縫うロードを走る。前の区間で登り下りが激しかったので、筋肉の良い休養。途中歩いている香山さんを抜いた。登りは早いけど、平地は比較的ゆっくり進んでいるようだ。
道はやがて緩やかな登りとなる。まだ自分のペースは守れており淡々と登る。最後はシングルトレイルのつづら折りに。
やがて尾根を越えて下りに入ると、オリエンテーリングの尾根下りのような快適なトレイルが続く。気分よく下ると尾根先端の急斜面から、この日のために作られた仮設資材の橋を渡るとエイドについた。
W2 十二様 11:04:43 67km 総合24位
そろそろ時間的には半分か。水だけなので休憩はほとんどせずに次に進む。再びなだらかな登りからだんだん斜面はきつくなってやがて急なシングルトレイルへ。残りのコースをみると、ここを入れて大きな登りが5回残ってる。今日のコースのキツさが段々身に染みてくる。
400mほどの標高差を登りきると、いったん道は平たんな砂利道になるが、そこからさらにまた200mほど開けた尾根を直登するコンクリートの道。
前後を走る選手の数も減ってきて一人で走る場面が増えてきた。この辺りでふと疲れを感じる。まだまだ半分を漸く過ぎたところなのであるが。。。夕暮れも近づいてきてたことも気分的な落ち込みに影響してるのかもしれない。
登り切ると、切り返したような急斜面の下り。脚の前面(大腿二頭筋)の疲労がかなり蓄積してきた。がくがくになってきたおり、この下りはきつい。スピードを出しすぎないように我慢しながら下る。夕暮れ時で暗くなり始めた斜面がまだかまだかと続く。やがて急斜面から緩斜面のスキー場内の道に変わり、日暮れの中エイドが見えてきた。
武尊山 Skyview trail 2017 その1 準備
【トレーニング】
前6か月のトレーニング
4月 354km 33時間 内 Trail 0km
5月 372km 39時間 内 Trail 45km 9.5時間
6月 326km 30時間 内 Trail 27km 3時間
7月 376km 39時間 内 Trail 99km 12時間
8月 340km 42時間 内 Trail 69km 16時間
9月 212km 21時間 内 Trail 38km 4.5時間 (22日まで)
2016年末から毎朝走る生活が定着したので距離は安定した。ただ質の面ではジョギングの割合が多い。トレイルに行く機会は、生活の制約で6月までは月1回、夏の間は月2回のペース。数多くないので、出来るだけ1回に長時間を走るべく、9時間の練習を3回実施した。十分とはいえないが、UTMFを走った2015年以降、体力が急激に落ちて散々だっ2016年に比べると、大分山を走れる身体に戻ったと思う。
ただ体重はどうしても落ちにくくなっており、ベストの59㎏までは落ちず、61㎏程度。年齢とともに体重管理に苦労するようになった。その分減点で、総合して準備は75点か。
【装備】
2013年UTMFから使っているグレゴリーの8Lのザック。ベスト型が主流の中で、背中にほとんどの装備を入れるザックは時代遅れの感もあるが、使い慣れてるし高価な出費もためらって今年もこれで行くことに。
食料は、ドライフルーツ500g、シリアルバーを3本、アミノバイタルゼリー(100kcal)×2本、これを前後半に分けて4割くらいをデポジットに。その他後半用に眠眠打破を2本。
水は500mLボトル、400mLのサブ(プラスチックバック)x2、全部使ったのは武尊山に登る時のみ。
ウエアは、ノースフェースの通気性の良いTシャツに短パン、レースを通して寒さは感じず、問題なかった。
【目標】
とにかく距離の割にアップダウンの多いコースという印象なので、下りの筋肉を傷めてしまうと後半失速が大きくなると考え、下りを丁寧にこなすことを心がけた。
過去の優勝者のタイムと実力差から、最低24時間以内、目標22時間。順位は20位。
【前日‐当日】
前日の金曜日に休暇を取り、午前中接骨院で施術を受けて、午後の新幹線で上毛高原経由で会場へ。3時頃到着。
いくつか買い物をした後に4時からのブリーフィングに出席、17時過ぎの循環バスで片品に予約した宿へ。
18時頃から食事。相部屋の方と少しお話をしながら準備を終えて20時ころに就寝。
朝は2時30分頃に起床。3時20分頃のバスで会場へ。会場には20分くらいでつき、荷物のデポジットを終え、長いトイレの列に少し焦りながら並び、15分前にスタートに並ぶ。
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信越100mile 2022
<レースの記録を忘れていたので後から記載> START 18:30 日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...
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100マイルに代表されるウルトラトレイルは、昼夜のレースで高山の岩場から街中のロード、暑い日差しから雨や時に雪など、様々な環境の変化に対して走り続けることが必要である。そのため、スピードや持久力に優れた選手でも、これら変化する状況へ巧く対応できなければ、結果がついてこない。 ...
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強化合宿に久しぶりに参加した。 全参加はWOC2005愛知前の合宿以来、スタッフとしての準備で迎えた合宿だけど、2日間オリエンテーリングとトレーニングのことばかり考えて過ごす時間はとても贅沢に感じる。久しぶりにオールアウトに近いトレーニングをこなし、皆で風呂に入って大盛りの飯を喰...
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昼下がりの会社。 いつもの部のメンバーで昼食をとっている時、話題はテレビ。 番組ではなく、テレビの設定についてらしい。光ケーブルにすると一家全体で見れて便利。そうでないと、各部屋の一つ一つにチューナをつけなくてはいけないので不便だ、、、そんな内容だったろうか。うろ覚えなので信じな...