妻がめずらしく発熱した。それほど深刻ではないけれど、日曜の早朝に迷いながらあきらめた。
病人をおいて出かけるのは後ろ髪を引かれるようだけど、色々したいこともあるし、久しぶりのレース。「いってらっしゃい」という妻の言葉に甘えてカバンの紐を締めた。
車の予定を切り替えて湘南新宿ラインに乗る。
前回の赤城はいつだったろうか。そう、フィンランドの世界選手権の前だった。30歳を超えてコンディションがなかなかつかめず、モチベーション的にもフィジカル面でもスランプを迎えてた時期である。確かあの時は好調の加賀屋さん、まっちゃんに続く3位に終わった記憶がある。あれから8年、時間がたつのは早い。さらに前の優勝した赤城からは14年の歳月がたっていた。
今の自分は?思い返して見ればチェコ以来のまともな個人レースである。随分とご無沙汰したが、この1月WOC合宿に出ていたせいかあまりブランクの意識はない。
ただ、ここ1,2月悩まされている坐骨神経痛が憂鬱だ。接骨院にいったり、カイロプラクティックに行ったりしているが、どうもすっきりしない。
今日の自分の目標はなんだろう?行きの電車の中で自問する。WOC選手でもない。当面は秋のハセツネが目標である。であるなら、畑違いの今日のレースは自分にとってどんな位置づけなのだろう?
どう考えてもあまりすっきりした解はない。難しいことを考えるのはやめた。そんなことをいちいち考えなくても、優勝はしたい。まあ現実難しいかもしれないけれど、3位くらいは目指してもいいんじゃないか。その場の気分でつくりあげた曖昧な目標である。
でもそんなふわふわしたモチベーションで、積み重ねのない目標でも、それなりに準備をして楽しめる自分がある。
そう、競技者というよりも、「競技マニア」というべきか。いつしか、そういう楽しみ方をするようになった。
レース結果は3位。
俊介のタイムは流石にお手上げであるが、数字で見れば想いのほか良い結果だった。
内容的には1番のミスが悔やまれる。けどそのおかげで2分後の藤沼に追いつかれて、キレのある走りにつき合わされてその後のレースがぴりっと引き締まった。
帰りはバスに乗り、渋滞に巻き込まれて家につくと、妻の容態は悪化していた。
「あち、、、」 実家が近いことについつい甘えてしまった。普通なら夫&父として落第だよなあ。
でも、それを補う色々な意味での収穫もあったし、今回は言葉に甘えて走れたことに感謝。
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