「てぃりん てぃりん キンキュウジシンソクホウデス ツヨイユレニケイカイシテクダサイ!」
4歳の娘がきゃっきゃと叫ぶ
「オウチ、ワサワサ、コワイコワイ」
半分笑って答える2歳の息子
つい1週間前までは緊急地震速報の音を聞くなり震えあがっていた娘。本気でPTSDではないかと妻と心配していたのだが、どうやら随分と慣れてしまったらしい。
大人にはやや不謹慎な遊びにも思えるが、4歳と2歳の子供にいってもしょうがあるまい。
牛乳や水が手に入りにくい以外は、23区に住む我が家の生活はほぼ通常に戻った。会社も期末につきものの雑多な仕事の他、震災復興に関わる緊急の仕事が舞い込んで日に日に残業が多くなる。いつもとかわらない毎日のリズムに戻ってきた。しいて言えば週末の予定がみなキャンセルされ、少しばかり単調な週末が続くことくらいだろうか。
それでも、毎日寝る前に目を通す社会面の記事に、ついついぽろぽろ涙をこぼしてしまう。ああ、同じ日本でこれだけ尊い命を落とした人、今現在も悲痛な思いに駆られている人がいるのかと。それなのに自分はこんな風に、子供がすやすや寝た隣の部屋で風呂あがりのビールを飲んでいてよいのだろうかと。
春の選抜の選手宣誓が感動的、と話題になっていたので、自分もYoutubeでみた。つい繰り返し見てしまった。やっぱりぽろぽろ涙が出た。
高校球児なんて汗臭くてむさ苦しいだけと思ってたのに。丸坊主の高校生が妙に美しく見えた。つい若さがうらやましくなった。
震災はとても辛く悲しい経験である。でも多感な時期にこうした経験をした今の若い世代にとって、きっとこの経験は将来の人間形成に役立つにちがいない。僕らの世代みたいに、何の苦労もなく平和ボケして大人になった世代よりも、もっと地に脚がついた旧来の日本人らしい大人になるんじゃないか、拝金主義なんかじゃなくて、医者や自衛官、消防隊員など人の命を守る職業がもっともっとカッコよくて、尊敬される社会がきてもいい、丸坊主の宣誓を聞きながらぼんやりと思った。
「生かされた幸福な自分たち」は、今の毎日を精いっぱい生きるしかあるまい。今自分にできること。一つは、会社の仕事を通じて被災地の上下水道インフラの復興に精いっぱい協力すること、もうひとつは困難な中でも世界にチャレンジしたい若者のためにWOC,JWOC選手団のあり方を模索することである。
月曜日, 3月 28, 2011
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