Start 斑尾高原レストランハイジ 0km
歓声とともにスタート。しばらくはゲレンデの中をつづら折りで走ったり歩いたり。
心拍は上がってないけど脚が結構重たい。やはり直前までリラックスしてたせいか身体が起きてない感じ。
15分くらいのところで、スタート会場の近くを通り、大勢の応援の人並みを抜けるところがある。信越らしい区間、通り抜けて気分が盛り上がる。それを過ぎると森は静かになり、いよいよ闇の中ひたすら進むレースが始まる。
心拍を上げすぎないように注意して走る。
途中35分を過ぎたところで「トップと6分差」の声。ちょうど2割ましくらい。程よいペースか。
110kmで経験してるので、だいたいコースの感覚は持ってる。だらだらと登って、暗い中に野尻湖の見えるカーブを過ぎるとすぐにウォーターエイド。水は十分あるので取らずにすぎる。
W 菅川 17km 1:48:37
時計をみると、たしか110kmの時は1:36くらいだったので1割ちょっと遅いペース。予定よりやや速い。
登りも無理せず進む。30分くらい登ると漸く斑尾山手前のピーク。少し下り登って斑尾山、そこから急激に下る。脚の筋力温存であまり飛ばさないように意識するけど、幾人かの人は抜いた。
やがて緩やかになり右にカーブしていくと最初のエイドの明かりが見えた。
A1 バンフ 22km 2:42:25 63位
水の補給とバナナ、ポテトチップ補給など。それほど時間かけず。
ここからはなだらかな下り基調のトレイルで、信越らしいセクション。周りの選手とそれほど変わらぬテンポで走る。細かな登り下りでリズムが変わるので飽きないし、身体にも心地よい。数十分走ってやがて単独で走りはじめた時、希望湖が近づいてきたところで、コース看板がなかなか出てこないことに不安を持ち始める。分岐らしきところでも看板がないので不安になって、立ち止まり、少し戻ろうとすると、次のランナーが来た。
「私も少し不安になったんですが、この先に明かりが見えたのであってると思いますよ」
とのこと、少し安心して再び並走。途中湖畔の分岐で少し迷うも、大きな道を進むとやがて前のランナーの明かりが見え、その先に矢印看板が見えて安心。
その先も比較的なだらかなトレイルが続く。コースが折り返して毛無山に登り、しばらく行くとエイドにつく。
A2 赤池 36km 4:31:06
水の補給とバナナ、ポテトチップ補給など。それほど時間かけず。
ただし、水の補給を500mL2本満タンにせず、750mLくらにしてしまったのが、若干失敗。
あとで軽い水切れの要因となる。
赤池を過ぎてからは地図で見たイメージより登ったけど、やがて110kmで良く知ってる袴岳の登りになる。淡々と登ると、110kmの時の記憶よりあっさり頂上を超える。下りになって気持ちよくステップをきっていく。
100マイルは110kmより身体負荷を低く走るので、全般的に110kmの記憶より楽に走れるのだろう。
やがて林道に出て、そこからは単調な林道の下り。途中兼俣のチェックポイント通過。
CP 兼俣林道入口 5:26:26 32位
この部分は自分の身体に任せたペースで進むが結果的にはややオーバーペースだったかもしれない。途中数人の選手を抜くことになる。その先しばらく進むとやがて周りに人がいなくなった。
コースは嘗てより少し変わって、降りるルートが並行する別の林道に変わっていたが、似たような走りやすさなのであまり違いはない。やがて110kmのコースと別れてロードを進むと、壁のような階段が見える。そういえば石川さんがコース解説でコメントしてたっけ。
淡々と登り、登り終えたところで振り返ると、1名遥か下に登り始めたのが見えた。林道で抜いた選手だろう。2、3分は差がありそうだ。
山道に入って淡々と夜道一人で登る。前にも後ろにも誰もいない。前のエイドでうっかり水を満タンに補給しなかったので山中で水切れを起こした。思ったより夜も気温が下がらず、水は1時間に300mLは必要なようだ。
予定では次のエイドまで残り30分くらいのはず。下りがほとんどなので、大丈夫だろう。
案の定、月明かりが照らす道に出る。ゲレンデのようだ。バンフ手前のように、やや急な草っぱらの中の道を下っていく。なるべく丁寧に、筋肉にダメージを与えないことを念頭に下っていく。やがてエイドの明かりが見えてきた。エイドに入ると、兼俣林道で抜かした外国選手が直ぐに入ってきた。
A3 アパリゾート 55km in 7:14:32 27位 out 7:24:05 24位
最初のドロップバッグポイント。眠眠打破を1本飲んで、1本分をボトルに入れる。食料は思ったより消費してないので、必要な分だけ補充した。
ここでオリエンティアの三宅君に声をかけられる。一回り歳は違うが名古屋大で走ってたとか。結構気づかないところでオリエンティアが活躍してるのだな。
しばし会話してお互いの健闘を願って次に進む。
ここからは、広めの砂利道でなだらかに下る部分が多い。身体に任せて気持ち良く下っていく。このあたりから、空の視界が開ける部分が増えてきて、満月の月明かりに、一瞬夜明けかと勘違いすることしばしば。虫の鳴き声だけが聞こえる平和な深夜の明るい夜道。
少し後ろに一人選手がいるらしい。見通しのよい直線でライトの光を感じるが、つかず離れずか。
下りきると田んぼの中の舗装道となり、川沿いに出る。月あかりでライトがなくても走れるくらい。川沿いはやや登りの砂利道。得意ではないが、無理してもしょうがないので自分のペースで走っていく。
途中2名くらい選手に抜かれる。そのうち一人は先ほどエイドで目にした外国選手だった。意識せずマイペースマイペース。。やがて登りの舗装道。高速を超えてさらに登り70kmを過ぎると、用水路沿いの砂利道になる。そろそろ単調な登りに飽きてきた、という頃にエイドに着いた。この区間はほとんど舗装道か砂利道だった。
A4 国立妙高青少年の家 72km in 9:30:52 26位 out 9:34:03 24位
ここまで事前の予定より15分ほど早く進んでる。そろそろ10時間だけどまだ身体の動きも悪くない。今日はいいペースで行けるかもしれない。
エイドを出るとすぐに緩やかなトレイルに入る。この区間は前半山場の急登と急下降があるので身構えていたが、地図をよく見ればしばらくは緩い傾斜で少しづつ登ってくようだ。
空が薄っすら明るくなって夜明けとなってきた。今までの100マイルの経験で、夜明けは一番眠くなる時間帯。しかも急登が眠気を誘う危険ポイントだ。赤倉の急登に備えて、ボトルに入れた眠眠打破の2本目分を飲む。美味しくないが、何となく元気が出た。
周りはすっかり明るくなり、ロードの登りからいよいよスキー場の急登になる。
この風景は既視感あり。武尊Skyviewで何度も登るスキー場の風景と一緒だ。武尊のつらい経験があるので、このくらいは想定内、と感じる心の余裕があった。経験が活きる。
遥か斜面の上に、2人ほど鈍いペースで登る選手ポツポツと見えた。段々と近づいてるようだ。
スキー場の急登は緩やかな林道を挟んで断続的に続く。やがて、1人、2人と抜かす。二人とも並走して軽く声をかけると、「この登りはやばい。。」と、僕に言ってるのか独り言なのか、同じつぶやきをした。「もうちょっとですよ」と励ましで答える。
ようやく登りが終わると、容赦なく反対側の急斜面の下り。しかも舗装道だ。これは登りでパンパンの脚には辛い。悲鳴をあげる大腿二頭筋。とにかく小股で衝撃を減らすしかない。1キロほどで芝生の斜面になる。少し衝撃は緩和するが、それでも斜面は急で大腿筋の痛みは続く。広いスキー場の下りをジグザグに斜めに下って、多少なりとも脚への負担を減らす。赤倉観光ホテルを過ぎてようやく斜面がゆるくなり、ほっとする。
ここまでくれば、エイドはすぐだ、とルートマークを辿ると、道は森のトレイルに入る。ここからエイドまでは2、3kmのはずだが実はずっとシングルトラックだった。(すっかり町中に入り舗装道を走ると思っていた。)下り基調とはいえ、森の道は微妙なアップダウンが続く。急激に空腹を感じてペースダウン、途中で歩いて栄養補給する。
A5 池の平スポーツ広場 88km 12:08:12 22位
エイドには2,3人の選手がいるだけだ、だいぶ選手の密度が減ってきた。
「ラーメンどうですか?」とエイドの方に進められたので、ラーメンをお願いすることにした。
ところがまだ開店間もないらしく、なかなか出てこない。少ししびれを切らして、時間がかかるなら断ろうかと思ったところで出てきた。
このラーメンはうまかった。食べてよかった。あまりに美味しそうだったのだろう。エイ
ドの女性が「写真とりましょうか?」と声をかけてくれた。レース中写真を撮ることはないのだけど、ちょうど前のポケットに携帯が入ってたので、取り出してとってもらった。
時計を見るとエイドで10分使ってしまった。ドロップバッグのないエイドでは、予定より使い過ぎた。
慌ててエイドを後にした。
ここから110kmの合流点までは、下り基調のゆるいトレイルや舗装道を繋いでいく。途中地元の民家の私設エイドで美味しい水をもらい、元気もつけて走る。
1時間もせずに杉野沢に出た。ここで、次の黒姫で待つペーサーの妻にメッセージ。
「8時40分~50分かな」
ここからは110kmで良く知った黒姫までの登り道。舗装道からシングルトラックへと良いペースで進む。時計も8時を過ぎて、陽の当たるところは結構暑く感じるようになった。
この区間結局誰にも会わなかった。想定時間でも早い方で8時41分に黒姫のエイドに飛び込んだ。
(その3に続く)
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信越100mile 2022
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