土曜日, 9月 21, 2019
信越五岳 100miles 2019 その3 後半黒姫以降
A6 黒姫 102km in 14:11:11 21位 out 14:21:53 21位
まだ閑散としてるエイドで、ぴょんぴょん跳ねてる妻が直ぐ目に入った。
「ぴったり予定通りね」
少し興奮気味に喜んでくれた。
Tシャツのゼッケンを妻に付け替えてもらってる間に補給。2回目のドロップバッグポイントなので、しっかり食料をザックに詰め、サンバイザーをかぶる。
ここで数分後に、女子のトップの今田選手が入ってきて一段と大きい拍手が起こった。ペーサーの男性と一緒に、僕らの少し後にエイドを出る。
黒姫直後は5kmほど、だらだらした砂利道の登りが延々と続く。このパートは過去大会でも苦手にしているところ。今回も自分では今までと同じように進んでいるつもりが、周りよりペースは遅いようだ。すぐに同じ時間帯に出た今田ペアに置いて行かれた。
急に暑さを感じる。コースに陽が差すことが多くなった。砂利道を40歩走って30歩歩くといったリズム。一人、また一人と抜かれていく。妻も先に行っては待ちきれないようにこちらを見返し、体調は大丈夫か、と声をかけてくる。
悪くはないが、ペースが鈍ってるのは自覚している。少し眠気も出てるようだ。
1時間を過ぎてようやく砂利道が平から下りになる。ペースは相変わらず鈍いが走り続けることはできる。急斜面を丁寧に下って吊り橋を渡り、パイプライン横の急斜面を登る。
ここでまた一人、後ろから追ってくる選手に追いつかれた。だけどこちらのペースも少し回復してるようで、登り切ってからの緩やかな森ではしばらく並走する。
ここは、今回新しく伸びた区間で、石川さんが、極上のトレイルと表現していた森。たしかに北欧のようにゆるやかで美しい森だが、疲れがたまった身体ではペースがあがらない。残り2kmくらいから再びペースダウン。せっかくの素晴らしい森の道を、今回は辛い印象で走ってしまった。
A7 笹ヶ峰グリーンハウス 115km in 16:39:23 26位 out 16:50:05 25位
トイレにいって、補給。カレーを少し食べて元気づける。
ここで三宅君に再び会う(追いつかれる) 彼は身体はまだまだ大丈夫らしいが、エイド間の持参食料が不足したとのこと。はじめてのチャレンジで、100マイルで自分が必要なカロリーが把握しきれてなかったのかもしれない。こちらもすごく残念な気持ちになるが、今の自分には何もできない。労いの言葉だけかけて先に出る。
エイドを後にして暫く暑い日差しの牧場を走る。2,3分後ろにペーサー付きの1組が見え隠れする。乙女湖に降り、ダム沿いの急なコンクリート階段で追いつかれた。西城選手のペアだ。西城選手は110キロで活躍する選手だが、UTMFで終盤に抜かれている(先方は気づいてないと思うが)。100マイルではペースが似てるのかもしれない。
その後しばらく森の涼しい快適なトレイルが続いてほっとする。少しリズムを取り戻してきた。再び砂利道の登りが現れその区間はペースが鈍るものの、黒姫の登りもまた元気が復活してしっかりと登れたと思う。
黒姫の鞍部に到着。そこから岩の多い林道を下るパートは、下りの得意な僕より、むしろ妻の方が遅れがちになった。妻のペースに合わせて少し余力をもってエイドに入る。
A8 大橋林道 130km 19:22:16 26位
ここはそれほど時間をかけずに5分くらいでエイドを後に。
この区間は、牧場周りが新コースになり少し距離が延びたという情報があったところ。
戸隠牧場に出ると、確かに牧場の周りをジグザグに進むコース。牧草の上だったり、森の起伏を超えたり、このパートは標高差は大きくないけど、走り続けることはできず、ペースが上がらない部分。
それでも、のどかな牧場の緑に覆われた風景は日本ではなかなか味わえないトレイル、信越らしい部分だと思う。
ここで初めて110kmのトップ西村選手に抜かれる。
30分ほどで、牧場からトレイルに出る、そこからは以前と似たルートで自分も好きな森のなだらかなトレイル。調子も上がってきたので、妻に前に出てもらって引っ張ってもらい、ペースをあげる。
戸隠神社の参道、鏡池などを通過、110kmの二番手の大瀬選手に途中抜かれ、エイドに向かう緩いトレイルに入る。ここで前に2人組の選手が見えた。少しこちらのペースが上回り、じりじり近づくが、あともう一歩というところでエイドに到着した。
A9 戸隠スキー場 142km in 21:27:12 28位 out21:38:16 27位
事前に妻と相談して、10分以内の休憩を目指す。
蕎麦で元気をもらい(これは美味しかった!)、しっかり補給して、次に向かう。ここで女子トップの今田選手に追いついた。女性同志で妻と今田選手の会話がはずむ。
同時に出るが、最初のペースは向こうはゆっくり目、こちらが先に先行する。
このパートは、110kmの経験で「つらい」という印象が染み付いており、最後のクライマックスと心得ていたが、逆に覚悟してただけに実際に走るとそれほどにも感じなかった。
瑪瑙山手前の森の中の急登も、自分の中のイメージよりあっさり登る。ここまで妻に引っ張ってもらいペース良く走れた。
いよいよ、森から開けた最後の瑪瑙山が夕方の日差しを受けて見えた。はるか前にポツポツ2,3組登ってく選手が見えたろうか。
視線を落とし、目前の地面を見て一歩一歩脚を進める。ここでも武尊の経験が活きた。武尊後半のスキー場400m直登を思えば、この登りはその半分くらいだろう。
時々上を見あげると、確実に瑪瑙山は近づいてくる。同時に後ろもみると数分下に1組の選手が登ってくる。
後ろを気にしてもしょうがないが、できれば抜かれたくないな、と思うようになる。
瑪瑙山の頂上でスタッフの方に写真を1枚とってもらう。繰り返しになるけどレース中写真を撮ったのは今回初めて。お礼を言ってカメラを受け取るとすぐに下りはじめた。
妻はスキー場の見晴らしのよい斜面をどんどん先に飛ばして小さくなっていく。こちらもがんばるが大腿二頭筋がもう限界だ。でもスピードを落とせない。気合で声を張り上げ痛みをこらえながら下る。
やがてスキー場を離れ、森の中の下りになって緩い登りになる。ここの登りと下りがこのコース最後のトレイル。この区間も過去の110kmの記憶よりは、辛くなく過ぎることができた。途中からライトを点灯し、150kmを過ぎていよいよ最後の尾根下りとなる。下りは妻の方がペースが落ちるので、途中少し待ちながらウォーターエイドに向かった。
W 飯縄山登山口 152km 23:39:22 27位
妻がトイレに行ってる間に、一組がノンストップで通り過ぎた。おそらく瑪瑙山で後ろにたペアだ。あのスピードではどのみち抜かれてただろう。
もう一組、女子トップの今田選手のペアがきた。あちらも少し休憩したのでエイドを出るのはほぼ一緒となった。
残り8kmですね!と励ましあいながら、進む。ロードは向こうの方が速そうなので、先にいってもらうと徐々に前に見えなくなっていった。
ここからの8km(実質7km)は毎年辛いと感じるところ。前半は砂利がごつごつしていて走りにくい上に緩やかに登っているところが多く、疲労した脚には答える。妻のペースが鈍ってこちらが引っ張る状態に。
ところが、ようやく中盤を過ぎて下り基調になるとむしろ妻が元気になる。今度はこちらが必至についていくようになった。
永遠に続くかと思われる砂利道も、やがて真っ暗闇の森の中にポツポツ明かりが見え始める。そして会場のアナウンスが微かに届くようになった。そうなるとも1kmはないだろう。最後の力を振り絞って走る。
Finish 飯縄山ハイランドホール 160km 24:33:08 28位
いつも思うのだけど、どんな長いレースも必ず終わりがある。計時線を越えてしまえば、それでおしまいなのだ。ゴールはなんともあっけない。
フィニッシュ後しばしの興奮で、妻と完走を湛えた、近くの役員の人も湛えてくれ、写真をとる。
ゴール後の会場は長居は無用。少しして興奮が収まると、余韻の冷めないうちに、バスに乗って宿に向かうことにした。
夜と翌日の筋肉痛は、UTMF2019よりひどい状態だった。おそらくUTMFよりは、レース中追い込む場面が多かったのだろう。
そういう意味では、力を出し切れたレースかもしれない。
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