最近出張が増えた。
一泊二日の強行日程。
仕事の書類にプラスして、ジョグシューズ、ハートレートモニタ、そしてPC。
最近1日も手放せなくなった3点セットを鞄につめて羽田空港に向かう。
今回の出張も交通の便は悪いところ。しかたあるまい。人が住むところに水道あり。水道あるとことに我が仕事あり。
羽田からとある地方空港まで約1時間半、そこからJRの特急に乗り継いで約2時間。観光地として有名な地方小都市にだどりつく。
昼間の仕事は比較的スムーズに終えることができた。やれやれと後輩の運転する車で途中夕食をとり、宿へ向かう。時計を見るとまだ6時半。今日は7時にはチェックインできるだろう。
週末の準備やPCメールに返答する時間もたっぷりあるし、少し夜にジョギングもできるか、と車の中で今日の残りの時間の使い方をあれこれ考えた。
ところが、車窓を眺めていて一抹の不安が過る。車はビジネスホテルのある市内ではなく、郊外に向かっている。。。
やがて街をはずれ暗い夜道を進みはじめた。
そういえば、昨日後輩から案内された宿は○○ホテルといった類のものではなく、△△楼という名だった。行く先を尋ねると隣町の観光地として有名な温泉地。
30分くらい進むとやがて観光ホテルの煌々とした灯があらわれ、静かな湾沿いの1棟の旅館にたどりついた。
後輩はせっかくだから、と味気ない市内のビジネスホテルではなく近辺の観光地の旅館に設定された格安プランを案内してくれたのだ。
チェックインすると確かにリーゾナブルだ。6800円の朝食付だが、ツインのシングルユースで広い部屋だし、温泉ももちろん広くて深夜まで入れる。浴衣で土産物コーナを回るような、そんな旅館だ。
どうせならプライベートでゆっくりしたいそんな宿である。
ただ、案の定いやな予感はあたった。
チェックインしてまず机付近をざっと見るが、あるべきものが「ない」
旅館の案内パンフをめくってみても期待薄。
だめもとでフロントに電話する。
「あの、インターネットとかつながっているところありませんか?」
多分さっき案内してくれたフロントの気のよさそうなお兄さんだろう。やや困惑した声で、
「当旅館にはありません。この先の××旅館にワイヤレスがあると聞いたことありますが。。。、それ以外このあたりでは聞いたことがありません。」
ああ、やっぱり。
ためいきをついて携帯を見ると、「圏外」
ソフトバンクの携帯メールも使えない。やれやれ。
しまった、うかつだった。事前に調べておくべきだった。この地はインターネットの世界でまさに陸の孤島。
今週末の準備をかかえてこの空白は痛い。自分のサーバにたまるメールの山と、返信がないのにいらいらする面々の顔が瞼に浮かぶ。
それにしても極度のインターネット依存症かもしれない。ここは誰もが一度は訪れたいと思う名勝の地。日本の雄大な文化的遺産を目前にして、その雰囲気さえ味わえず、インターネットがないことにあたふたする自分が何とも小さい存在に思えてきた。
いいや、今日一日なんとかなるだろう。今日は早く寝て明朝に、日本人の魂を育んだこの地の歴史文化を肌で感じるべく、ジョギングを楽しむこととしよう。
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