走り始めたのが午後の遅くだったので、帰路はすでに日が沈みはじめ、城山への尾根道に戻る頃には深い森の木々に覆われて、足元は暗くなった。
ミシュラン三ツ星人気に誘われてにぎわう高尾周辺も、さすがにこのあたり、この時間になると人に会うこともない。日没を考えれば普通の登山者はいてはいけない時間帯だ。
と思いきや、前方の暗い林の中に赤いシャツのトレラン風の人影
つい時計を見てしまった。えっこの時間からこの方向?
かるく挨拶しようと思いきや、見覚えのある顔、「かしまださん!」
お互い脚をとめ、思わず笑い始めてしまった。そう、笑いの意味は(やっぱり行動が同じだね!)と。
三河も順調に3連覇した大助は、5歳年下だが境遇が良く似てる。サラリーマン、2児の父、子供の歳も同じ、妻もランナーでありトレラン好き。だから、時間の使い方が良くにてるのだ。
陣馬を超えて和田峠あたりまで行こうと思うんです、そういう彼はヘッドライトと手持ちのライトを見せてくれた。
― 僕もね、帰りは城山から大垂水峠経由で回り込もうかなと ―
彼も一日家族と過ごして、夕方の数時間をなんとか確保できたのだろう。そして来週の72kmを思えば、やはり数時間でも山を走りたい、でも陣馬往復ではやや物足りない、だからヘッドランプをかばんに入れて、そう思う思考回路も多分まったく同じなのだ。
WOC2010では必ずしも完全燃焼できなかった彼だが、この秋ステージをトレランに移してどこまで活躍してくれるか。ショートの世界ではすでに一流選手なのだから、ロングを象徴するハセツネでどこまで上にのぼるか楽しみである。
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