金曜日, 8月 19, 2011

これぞロング


久しぶりに
「走りたいけどやっぱり走りたくない」と思った。

オリエンテーリングに明るくない人は読み飛ばしてほしい。

WOC2011のロングのコースである。

過去にも似たように衝撃を受けたWOCコースはある。
長いだけなら、91年のチェコ、03年のスイス、04年のスウェーデン、あるいは06~08年と続いた大陸系のロングも長かった。でも時間をかければまわれるコースである。
しかし、見ただけでうなるような地図、コースというのはWOCでもそうそうない。
たとえば古くは85年のオーストラリア。女子の優勝したア二ケンのミスも激しいものがあった。
あるいは、実際僕も走った93年のUSAのロングもしかり。当時早苗さんが、「地図を見た瞬間なぜか太古の恐竜時代が頭に浮かんだ」と表現していたけど、ある意味地球の歴史に畏怖の念を感じる見応えのある地形である。
最近では愛知の05年も特殊という意味ではインパクトがあったろう。日本人には抵抗ないが、欧米選手には茶色に塗られた斜面は特異なテレインだったろう。実際優勝候補の女子選手が序盤から大きくミスをするハプニングもあった。

今回のフランスのロングもそういう歴史に残るテレイン、コースだ。

案の定、このレース荒れた。優勝候補のミナカウピが1番に到達せずにゴールに向かったように、有力選手の大きなミスが目立った。その中で下馬評通り優勝したフランスのティエリ・ジョルジュは本当に素晴らしい。
実際男女とも優勝者と2位で4分、6位では10分以上の差がついた。実力の肉薄する世界では普段考えられない差である。


ただ、観戦する方としては淡々と進むレースより面白い。世界有数のタフガイが終盤憔悴しきって走る姿も壮絶である。スプリントのスピード感のあるレースとは対極的だが、自然に対峙する生身の人間のリアルさが冒険活劇を見ているようでこちらはこちらで迫力がある。これぞロング!

ふと思う。ロングという競技は、スプリントなどのようにある意味規格化されたテレインコースとは対照的に、地域性を最大限生かした独創的なテレインを提供する方向に進化すべきではないか。
規格化されたフィールドでしか競技がなりたたない多くのスポーツと異なり、その地の地形、植生、自然そのものを生かした舞台で競う面白さがオリエンテーリングにあるはずである。今回のテレインで格闘する選手をLiveStreamで見ながら感じてしまった。

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