日曜日, 7月 27, 2008

A Day in the Life

朝4時前にセットしたアラームが鳴った。寝過せないという緊張感のせいか眠りは浅かったが、体はだるかったので次のアラームまで数分うずくまっていた。昨晩のバンケットが終わってから数時間、考えてみればさすがに少し強行軍過ぎるかもしれない。これからの36時間の予定を考えて少し後悔した。

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昨日は最終日のリレー。日本のアンカーとして第3走者を務めた。理由は分からないが身体の動きが悪く、集中力も100%発揮できず、鈍いレースだった。疲労困憊したゴールでチームの面々が快く出迎えねぎらいの言葉をかけてくれた。「ごめん、走らせてもらったのになあ」思わず出た言葉に、「いや、いいレースでした」と力強く答えてくれたチームメイトの言葉に救われる気分だった。22位というリザルトは過去と比べても悪くない。1走、2走の大助、小泉の力走が好結果をもたらしてくれた。反面自身はまったく振るわない走りで脚を引っ張ってしまった。
でも細かい反省は後でじっくり考えよう。とにかくWOC2008は終わった。

旅の終わりはいつも慌しい。レース後の会場はすでにフラワーセレモニーも終わり、後片付けモード。ゆっくりレースを回顧している暇はない。テントに戻り急いで着替えて宿へ向かう。
夜のバンケットまでの数時間で荷造りを済ませなければ。大急ぎで荷物をトランクに詰め込んでいると、「お疲れ様です。」気を利かしたメンバーが人数分の缶ビールを買ってきてくれた。まずは乾杯、ビール缶片手にほろ酔い気分で残りの身支度を続けた。バケット前の慌しい時間を縫って、最後のミーティング。メンバーが思い思いのコメントを綴る。人によっては数年の歳月をかけて望んだWOC2008。その結果を受けてのコメントは人それぞれに重みがある。

さあてバンケット。各チームそれぞれに華やかに着飾ってトラムに乗り街中へ。欧米文化のはっきりとしたTPOを感じる時だ。日本女子もかわいらしいおそろいの服に身を包んだ。男子は?まあ皆それぞれのファッションセンスで。バンケット会場は、街中の建屋の中庭のような空間。料理やビールを囲んで乾杯。なにやら初めに挨拶のようなものもあったが、それ以外のイベント出し物は一切なし。ひたすら飲んで食べる珍しいバンケットだ。


自身のリレーの走りをまだ消化できてないせいだろうか、メダリストを追っかけたり、他国の選手に話しかける元気が沸いてこず、気がつくと1人でぼーと飲んでいた。俊介が話しかけてきた。バンケットの話題はいつも「今後」に収束する。全力でゴールに向けて走ってきた。結果はともあれ誰でもそこで迷う。「次はどこへ向かう?」
お互いの今後について、お互いぼんやりとしたビジョンを話し合った。10時の時計が廻ったところで、酒を控え、宿に向かった。流石に次の日の予定を考えると、無茶はできない。

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2度目のアラームでようやく体を起こした。鈍く体を起こしていると、まっちゃんが電気をつけてくれた。まだ自分の出発には早いが、見送りにわざわざおきてくれた。彼とは今回10日間ルームメイトとして共に過ごした。ベテランとして同じ方向を目指しつつも、異なる環境とアプローチでこの10年来競技を続けている。それぞれの境遇、今後についてベッドで語り合う機会も多かった。現実を考えれば夢満載の今後でもない。地に脚の付いたビジョン。それもまたWOC期間中の貴重な時間だった。

10日分のしつこい髭を剃り終えてホールに出ると、ほどなく俊介と石山さんも待っていた。予定の4時半。まだ暗い駐車場を出た。一路オロモウツからブルノ経由でプラハまで、約300km。時速120km/h前後で快適にドライブ。途中マックで朝食を取る。10時発の飛行機に乗るため8時前には空港に着く予定だったが、プラハ近郊に入ると渋滞が予想外に酷い。首都高のような渋滞にはまり何度となくハラハラする。ちょっと見通しが甘かったか。
それでも俊介の的確なナビに救われて、なんとか無事8時半にハーツレンタカーデスクにたどりついた。スペアタイヤの装着やクレジットカードの紛失など、旅のハプニングによるトラブルがあり、デスクでの混乱も心配されたが、幸いスムーズに事は運んだ。
便が遅い俊介、石山さんに短く別れを告げ、エールフランスのチェックインへ。のんびり30分待たされるところはやっぱりのどかさが残ってる国である。パリ経由で一路成田へ。トランジットのシャルル・ド・ゴール。加藤とラウンジで夜明けのコーヒーを飲んだのは調度10日前、はるか昔のことに感じる。
翌日のことを考えて成田への機内では睡眠をとるよう心がけるが3時間程度うとうとしただけか。

20代の頃は成田に着陸する時、現実へ戻るギャップに息苦しくなるような感覚を覚えた。例えれば、ビートルズのA Day in the Lifeでポールのコードに遷る瞬間のような、そんな感じ。
しかし今はそれ程の夢をWOCに感じていないせいか、成田に戻る瞬間の抵抗感は少ない。気がつくと今日やるべきことを頭の中で整理していた。

まとわり付くような熱気に出迎えられ、成田の出国はスムーズに過ぎた。飛行機を降りて1時間後には成田エキスプレスの中にいた。午後出勤には時間があるので、一旦自宅に戻ることに。西大井の駅に降り立つと暑い盛りの中、妻と娘が迎えに来ていてくれた。「あ、パパだ!、パパおかえり!」娘が喜んでくれたことにほっとした。人生が僕の20分の1しかない彼女にとってたった10日間は半年みたいなもんだから。
さっとシャワーを浴び、ひとしきり留守中の話を聴いた。お腹の状態があまりよくなく、もしかしたら予定より早く入院することになるかもしれない。今日も午後に病院にいくそうだ。留守中心細かったに違いない。若干後悔の念も浮かんだ。
寝不足と暑さに食欲のわかない胃に素麺を流し込で、小一時間一息してから会社に行く準備をした。
「取りあえず仕事のたまり具合みるだけから」
早目に会社から戻ることを約束して、再び西大井から横須賀線に乗った。


1万キロ離れたチェコの1週間が遠い国の夢物語かのように、日常生活がはじまった。


日曜日, 7月 20, 2008

露・諾・芬・仏・瑞そしてチェコ

WOCも個人種目が終わり、いよいよリレーを残すのみ。

昨日はロングで地元チェコのダナが、ノルウェーのマリアンヌを僅差でかわして劇的な優勝を飾った。チェコは昨日までスプリントでの入賞や、ミドルの銀、銅とホームグランドとしてそれなりの結果を出していたけれど、金をきちんと取るあたりは流石である。
マリアンヌはシモーネ不在の今年にチャンスがあったはずだった。今シーズン不調のうわさも聞こえてきたが、WOCにはしっかり照準を合わせてきた。きっといいレースだった違いない。終盤に差し掛かるパブリックコントロールまではトップだったが、最後に疲労からペースダウンしダナにかわされた。

一方男子は、個人3種目すべてで決勝を走ったスイスのダニエルが、出遅れた序盤から疲れ知らずの走りで後半順位を上げ、2位に1分以上の差をつけて優勝した。
森の様子が映し出された会場のスクリーンでは、、タフガイぞろいの男子選手でも、流石に終盤疲労から厳しい表情でペースの上がらない様子が見て取れた。その中で森の中を飄々とはねるようなダニエルの走りには誰もが唖然としたに違いない。これで個人3種目で2位、4位、優勝。ロシアのアンドレイと共に、しばらく彼等の時代が続くことは間違いない。

この日の男子コース。優勝106分に対し、120分ではすでに34位となる。トップ+20%では出走者中ほとんどビリになる。1995年のドイツでもちょうどそのような接戦となったが、優勝タイムは90分でしかもコースはもう少し易しかった。このような厳しいコースでこれだけ接戦になるのは、やはり世界の層の厚さが少しづつではあるが増していることを示してるだろう。
ここまでロシア、ノルウェー、フィンランド、フランス、スイス、チェコが金メダルを一つづつ獲得。
大国でまだ優勝してないのはスウェーデンくらいである。北欧全盛の時代は遥か昔の記憶。まさに群雄割拠の時代である。

夕方宿に戻り、いよいよリレーの準備。光栄なことに3走を任された。
チームメンバーの山口、小泉は代表では共に始めて一緒に走る。
今日観戦した男子選手のような走りは正直自分にはできないが、予選での走りをもう一度再現すること、そうすれば昨年一昨年の日本チームの成績を越える結果を出すこともできるだろう。
涼しくなった夜に、自分の身体の状態を確かめるため、近くの畑地の中をジョギング。
夕暮れ時の景色が、ちょうどミレーの絵画に出てくるような風景で思わずカメラをとってしまった。

木曜日, 7月 17, 2008

118 4.5

いろいろな趣味の人が世の中にはいる。

ワインを楽しむ人。その香りと味わいに何万、何十万の価値を見出す。
残念ながら僕にはそういう楽しみは味わえないし、多分その価値が分からない。でもその代わり、森の中を走り回って、からからに乾いた喉を70円のピルスナーウルケルで潤す喜びを味わうことが出来る。レストの日に楽しむチェコビール。それも人生の楽しみかたの一つ。
閑話休題
LAPCENTERで予選の解析をしてくれた。感謝。
結果を見てみると、やっぱり自分の感覚に合った数字が出ていた。

巡航スピードは118。ヒートは違うけど大助、まっちゃんの115,116より遅い。その代わりミス率ではヒートでも5番目に低い数字で、改善の余地はせいぜい1分程度。
考えてみれば、日本でも大助やまっちゃんから巡航スピードで2,3%遅れることが多いので、そのままといえばそのままだ。
予選を通るには巡航スピード110で6,7%のミスといったところ。今の日本チームは数%の改善が求められる。


火曜日, 7月 15, 2008

20位 72分58秒 予選通過ならず


なだらかな丘が延々と続くツートンカラーの牧草地と森。車を降りて、緩い丘に登る一本道をプレスタートに向けて歩く。朝露で濡れた草の匂い。典型的な中欧の牧歌的風景に「チェコに来てるんだな」と改めて感じる。いよいよ予選。3年ぶりのWOCのスタート地区。

最近のIT技術の進歩は目を見張るものがある。前日の夜に、ブリテンに乗っている緯度経度情報と地図から、Google Earthでテレインの全容は予習済みだった。川沿いの急斜面が特徴的な西側と、平坦な東側。2つの森を分断する牧草地。スタート位置とゴール位置から、前半は急斜面後半は緩斜面。ルートチョイスが鍵を握る前半と、トリッキーな植生の中のファインなオリエンテーリングが中盤以降。

スタートが近づくにつれ感じる緊張感はやっぱりWOC。座っていても心拍が高い。モデルマップのジョギングですぐにHRは150を超える。それでもスタート時は思いの他冷静になれた。

10.9kmup400mのコース。概ね予想通りの展開だった。前半は菜花台を思わせるテレイン。ロングレッグで飛ばした中盤以降は、切りと開きと見通しの悪い森のいやらしいコンビネーションにコントロールが集中する。それでも頭を捻るようなルートチョイスはなく、比較的素直なコースだといえるだろう。

明らかなミスは2番の崖付近を少しうろった30秒程度。その他は10秒程度のロスを何回か感じたが藪のコントロールではある程度やむを得ない。ほぼ今の実力を出し切ったと思う。体力的にもほぼベストだった。70分のレースでHR平均は176。道走りや登りでの追い込みにも身体は反応してくれた。

結果はトップと12分差の72分台。ボーダからは3分45秒程度。20位。対トップ比120%は過去の成績と比較しても決して悪くはない。しかし予選通過はならなかった。

今の走力、ナビゲーション技術の限界ギリギリのレースは出来た。残念だが実力が足りない。この結果は自分のこの1年の準備を表す、とても正当な評価なのだ。そう思うとゴール後に何ともいえない充実感が沸いてきた。何故か目が潤んできた。こんな感覚をWOCレース後に感じたのはいつ以来だろう?

ダウンをしに会場から延々と続く牧草地を走った。青空に柔らかい緑の牧草地。こういう風景の中、レース後の疲労を癒すダウンジョグが出来る幸せ。

思えばこの1年、いろいろな人の好意、協力の元に走り続けてきた。当初目指した予選突破は達成できなかった。日本チームの成績にも目に見える貢献はできなかった。

それでももう一度目指して走り続けてよかった、心の底からそう思う。

この日残念ながら男子、女子ともに予選通過はできなかった。
明後日はミドル。選手の応援に廻る。力をためていた善徳や俊介も出走する。みな予選通過目指してがんばれ!



月曜日, 7月 14, 2008

世界遺産とスプリント


オロモウツの市庁舎広場にある聖三位一体の碑は世界遺産にも登録されてるらしい。
文化財を多く残す、歴史的景観のある街である。
その世界遺産を取り巻くように観客が集まり、開会式に引き続いてスプリントの決勝がスタートした。
こういう舞台で走れる権利を得た90人の選手。その中にいる番場さんは本当に素晴らしい。

歓声の中選手はスタートレーンを駆け抜けていく。市庁舎の角を曲がってスタートフラッグから旧市街の路地に消えていく。
ガイドブックに乗る名所をいくつか通りながら公園を走り、また戻ってくるまでにわずか13,4分。その間の走りも映像で会場に届く。会場で待つ観客はレースの状況が手に取るようにわかる。男女各1時間の競技時間まったく飽きることはない。

スプリント競技が世界選手権に採用されて7回目となる。街中をアリーナとするのは2003年以来だが、もっともスプリントイベントとしての魅力を発揮するのは今回のようなアーバン(街中)タイプである。アーバンタイプの場合は競技性、公平性を確保することが時として難しく、議論の対象にもなる。しかし、今回のようなスポーツイベントとしての成功を見ると、競技性を若干犠牲にしてでも、こうしたアリーナを用意した街中スプリントをするべきではないか、と感じる。

女子はシモーネ、ハニー不在の混戦の中、EOCでも優勝したノルウェーのアンネ・マルグリッテ・ホークセンが完勝。32歳にして遅咲きの初優勝を飾った。フィンランドのミナが2位。順当な結果ではある。地域性の全くない今回のようなレースで結局上位に北欧国旗が多く並ぶのは、やはり層の厚さだろうか。
中国選手が18位に入る健闘。その他2名の決勝選手は失格となったが、タイム的には10位台を狙える走りだった。成長著しいが、スタート、ゴールレーンを走る中国選手の走りを見る限り、今回の成績は潜在能力の片鱗でしかない。入賞を達成する日もそれ程遠くないだろう。
番場さんは36位。1番までのロングレッグでロスをしたとのことだが見事な結果である。日本唯一のファイナリストにチームは勇気付けられ、ポジティブな出だしを与えてくれた。
男女とも1番まではルートチョイスのあるロングレッグだった。スタートフラッグ直後の細い街路にうまく入れないとミスに繋がる。なかなか捻ったコンセプトだけど、トップ選手は難なくこなしているところを見るとやはり決勝のレベルは高い。

男子はロシアのアンドレイがスイスのダニエルを秒差でかわして優勝。2005年のロングに続いて強さを見せた。もはや今はオールラウンダーとして歴史に残るランナーの1人に数えられるだろう。ダニエル・フブマンはスプリントで3度目の2位に泣いたが、若手実力No.1の選手としてその安定した実力を見せた。一方過去2連覇しているスウェーデンのエミルは、中継コントロールをスルーして失格。スクリーンでその瞬間を何千人の観客に目撃され、残念な結果となった。

選手として一度は走りたいと思わせるような、WOCスプリント。
スプリントには可能性がある、日本では時にそういわれる。確かに地域性がほとんどない分、欧州から遠い日本のハンディは小さい。しかし今回の決勝を見ていて、フィジカル面だけでなく、ナビゲーションにおいても、レベルの高さが印象に残った。
可能性はもちろんあるが、可能性を現実にしていく、その方法と実行。真剣に考えねばなるまい。

もっとも今はそんなことを考えている時ではない。帰りの飛行機までとっておこう。

木曜日, 7月 10, 2008

カオスから秩序へ

熱くなりやすい営業が、仕事の進め方をめぐって激しく言い争い始めた。
その間にも時計はちゃくちゃくと進む・・・・。終了予定の3時を過ぎても議論は収束しない。
部門の将来には重要なプロジェクトだ。会社の命運を左右するだけに誰だって成功させたい思いは一緒である。まじめだからこそ熱くなる、とても信頼できる輩だ。
でもこの今は勘弁して・・・。

ああ、だからこの時間のセッティングはやばかった・・・。
頭の中で、残りの2時間ばかりの優先順位に思いをめぐらせているうちに、ようやく妥協点が見つかったようである。会議は収束を向かえた。その良し悪しは別として、「それじゃ」と手短に会議室を飛び出た。

時計はすでに4時近い。席に戻ると2,3の電話メモがあったが、幸い不吉そうなものはない。2,3分づつの話でいずれも片付いた。
「すみませんが、明日から来週いっぱいいないもので・・・火急の場合は個人アドレスにメールをいただければ1,2日で返事はできると思います。」
そんな言葉を付け加えて電話を切る。
メールはやや重たいのがきてた。これの回答を10日は伸ばせない。
時計を気にしながら書類に目を通し、コメントを付して返信。
机の上の整理。昼のうちに上司に引き継いでいた要注意ファイルに大急ぎで、要点になるところに付箋をつけ机に並べる。
タイムリミットはあと20分。「まだいかなくていいの?」同僚が心配そうに気にかけてくる。
最後にチェックしようと思った図面はあきらめた。帰国後に処理しますと、メールを打った。
ふう、これでおしまい。

今日は思いがけないことがあった。昼の休みに上司が、グループや近隣部署のメッセージを書いた会社のロゴ入りのTシャツを手渡してくれたのだ。いつのまに用意したのか。あまりにも思いがけないプレゼントだったので、思わず涙腺を刺激された。今まで10年以上会社にいてこんなことは一度もなかった。

今の部署は決して業績が良いわけではない。社内の風当たりも強い。それでも部内の雰囲気はよく、今後がんばっていこうというチームワークはあるように思う。そんな今の部署の暖かさを感じた。
今回はさらに上司の根回しで短期ボランティア休暇という扱いとなり、特別休暇をいただいている。

会社では自分の活動をそれほどPRしてきてなかった。最近は特に隠していたようなところもある。
いい年して、という勝手な引け目を感じていたせいもあるが、
自分がそれなりに人生かけて打ち込んでいるオリエンテーリングのことなんて、普通の人に理解してもらえるわけない、そんなあきらめというかさめた心があったように思う。
10日もいなければそれなりに周りに負荷がかかるはずなにに、これだけ暖かく見送ってくれた上司同僚に、そんな今までの自分の態度を少し後悔した。

会社に入って7回目のWOC遠征、でも今までとはどこか違う気持ちで、「ではいってきます」と部署を跡にした。

トイレで大急ぎで着替え、天空橋から京急で品川へ。駅では身重の妻がスーツケースとトレランシューズをもって出迎えてくれた。
「パスポートもった?」「航空券は?」いつもの厳しいチェックをなんとかパス。
「留守中に産んじゃわないようにね。」
別れを告げて成田エキスプレスに乗った。

さあて、エールフランスの夜行便は夜10時発。あとは一路オロモウツぬ向かうのみ。

金曜日, 7月 04, 2008

出発前のカオス

出発まであと一週間を切った。

WOCへの遠征前には、信じられないくらい競技への集中が薄れる時期がある。
頭の中はいかにして残りの時間で仕事をやりくりするか。毎回のことだから慣れっこではあるけれど、遠征の前は10日間のブランクを乗り切る仕事の山に胃がきりきりしてくる。かといって遅くまで残業をして体調を崩すわけにはいかない。周りは、のん気に遠征のことをいろいろ聞いてくる。「いいねえチェコ。メダル当然だろ?」なんだか感心してんだか皮肉ってんだかわからないような言葉。軽口も叩けず本人は「本当に飛行機乗れるかなあ・・」と真剣に心配なってくる頃だ。
おまけに今週は、自分の壮行会を含めて2夜連続の飲み会。飲み過ぎないように自重して参加。皿に料理を載せながら、カロリーと脂質の量を無意識に頭で暗算。あーあ、何やってんだ俺。

それでも金曜を終えて、大分目の前のカオスが解けてきた。ふう。
あと4日ある出勤日のやりくりが見えてきた。トレーニングのテーパリングも頭の中でイメージ。
いつもよりは大分ましな状態である。ようやく3年ぶりの欧州に行くワクワク感が少しづつ。

今日は、久しぶりに電車に乗った時間も利用してチェコのマップリーディング。課題をもう一度整理。
10月遠征組みの地図とルートプラン練習が役にたっている。

気がつけば妻も臨月。家族の一大イベントもその直ぐ後に迫っている。盆と正月が一緒に来る7月がいよいよはじまった。

水曜日, 7月 02, 2008

196

競技を続けていると、ほんの些細なこと。他の人にはどうでもよいことに嬉しくなり、それだけで気分がよくなることがある。
でもそれで、自分のモチベーションが向上して、ポジティブに物事が進めばそれでいいのだ。

久しぶりに1人で走った10000mペース走、最後の追い込みでHR196を記録。
自己最高値タイは2年ぶりくらい。190を超えたのも半年振りくらい。
別にHRが高いのはいいことでもなんでもないのだけど、少なくとも疲労をためたりコンディションの悪い状態では最高HRは出ない。
6月最終週からトレーニング量を徐々に減らしたせいか、週末のバイオリズム最低状態から少しづつ上向いてきている。
よしよし、この調子。出発まであと8日。

火曜日, 7月 01, 2008

雨男

なんとなく陰鬱な響き。
悪い人ではないけど、どことなくじめっとして幸せに縁が遠そうな人。

と、いいつつ自分はもしかして・・・。

つい先日の5月に準備した八ヶ岳合宿の2日間、これでもかっという冷たい雨雨雨。
そして、日曜日に言いだしっぺで主催したスプリント練習会も、午前からずっと雨の中。
駒沢公園でずぶ濡れの練習を終えた後、本郷の2本目の予定は選手の体調も考慮してキャンセルした。
「本当の雨男は、雨を降らすだけが能じゃないよ。退いたあとにいかに晴れをもたらすかだ」
とどっかで書いてあったけど。。。。
午後帰宅して、びしょびしょの荷物を一しきり片付けて外を見ると・・・・、調度本郷スプリントを予定していた3時、一時的に雨は止んでいた。

練習は結局加藤君が声をかけて今週末の日曜日に延期。

あーあ、なんともさえない週末。おまけに体調は下り坂で月曜日は午前休。
出発まで10日間。焦ってもしょうがない。
後は身体の調子を整えるのみ。

信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...