木曜日, 7月 10, 2008

カオスから秩序へ

熱くなりやすい営業が、仕事の進め方をめぐって激しく言い争い始めた。
その間にも時計はちゃくちゃくと進む・・・・。終了予定の3時を過ぎても議論は収束しない。
部門の将来には重要なプロジェクトだ。会社の命運を左右するだけに誰だって成功させたい思いは一緒である。まじめだからこそ熱くなる、とても信頼できる輩だ。
でもこの今は勘弁して・・・。

ああ、だからこの時間のセッティングはやばかった・・・。
頭の中で、残りの2時間ばかりの優先順位に思いをめぐらせているうちに、ようやく妥協点が見つかったようである。会議は収束を向かえた。その良し悪しは別として、「それじゃ」と手短に会議室を飛び出た。

時計はすでに4時近い。席に戻ると2,3の電話メモがあったが、幸い不吉そうなものはない。2,3分づつの話でいずれも片付いた。
「すみませんが、明日から来週いっぱいいないもので・・・火急の場合は個人アドレスにメールをいただければ1,2日で返事はできると思います。」
そんな言葉を付け加えて電話を切る。
メールはやや重たいのがきてた。これの回答を10日は伸ばせない。
時計を気にしながら書類に目を通し、コメントを付して返信。
机の上の整理。昼のうちに上司に引き継いでいた要注意ファイルに大急ぎで、要点になるところに付箋をつけ机に並べる。
タイムリミットはあと20分。「まだいかなくていいの?」同僚が心配そうに気にかけてくる。
最後にチェックしようと思った図面はあきらめた。帰国後に処理しますと、メールを打った。
ふう、これでおしまい。

今日は思いがけないことがあった。昼の休みに上司が、グループや近隣部署のメッセージを書いた会社のロゴ入りのTシャツを手渡してくれたのだ。いつのまに用意したのか。あまりにも思いがけないプレゼントだったので、思わず涙腺を刺激された。今まで10年以上会社にいてこんなことは一度もなかった。

今の部署は決して業績が良いわけではない。社内の風当たりも強い。それでも部内の雰囲気はよく、今後がんばっていこうというチームワークはあるように思う。そんな今の部署の暖かさを感じた。
今回はさらに上司の根回しで短期ボランティア休暇という扱いとなり、特別休暇をいただいている。

会社では自分の活動をそれほどPRしてきてなかった。最近は特に隠していたようなところもある。
いい年して、という勝手な引け目を感じていたせいもあるが、
自分がそれなりに人生かけて打ち込んでいるオリエンテーリングのことなんて、普通の人に理解してもらえるわけない、そんなあきらめというかさめた心があったように思う。
10日もいなければそれなりに周りに負荷がかかるはずなにに、これだけ暖かく見送ってくれた上司同僚に、そんな今までの自分の態度を少し後悔した。

会社に入って7回目のWOC遠征、でも今までとはどこか違う気持ちで、「ではいってきます」と部署を跡にした。

トイレで大急ぎで着替え、天空橋から京急で品川へ。駅では身重の妻がスーツケースとトレランシューズをもって出迎えてくれた。
「パスポートもった?」「航空券は?」いつもの厳しいチェックをなんとかパス。
「留守中に産んじゃわないようにね。」
別れを告げて成田エキスプレスに乗った。

さあて、エールフランスの夜行便は夜10時発。あとは一路オロモウツぬ向かうのみ。

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