水曜日, 8月 27, 2008

CC7

雨がしとしとと降る週末
生憎の天気に我慢しきれず、母と娘で訪れた動物園。閑散とした園内にそれでも同じような家族連れがちらほら歩いていた。
元々それ程珍しい動物がいるわけではない。それでも目玉の象がたった1匹歩いていた。
「ほら、象だよ」
娘に教えるも、童話や唄の世界で生き生きと登場する大きな象が、こんな無味乾燥なコンクリートに囲まれてしょんぼり歩いている生き物だなんて。
なんだか娘の夢を壊すようで、申し訳ないような気分になった。

娘も飽きてきた。時計をふと見ると、2時過ぎ。
そろそろ7走もゴールしているころだろう。上位の順位も決まっている頃だろう。低い松の林を走る選手の姿が目に浮かぶ。

思い返してみると、95年に渋谷として初めて走ったCC7。それ以来WOC代表が故に走れなかった2005年を除けば、初めての欠席である。今更ながら、日帰りでも参加するチャンスはなかったか、後悔の念も過ぎる。
しかし、今月はオリエンテーリングの優先順位を下げる、当初からそう決めていた。中途半端な参加はオリエンテーリングにも、そのほかの部分にも良くはない。きっと出走しても結局よい結果も生まなかったろう。今この瞬間の自分は、到底競技者ではない。

娘の午後の昼寝を見計らってインターネットで結果をチェックした。京葉が優勝。2位ES関東。激しい上位争いがあったのだろうか。その他上位は最近の強豪が順当に名を連ねる。昨年優勝の多摩は残念ながらDNQ、渋谷は9位相当だった。

今年は、家族を抱えるメンバーが多い中、メンバー集めに苦労した。その中で組んだチーム。メンバー集めの点では反省点もあったけど、嬉しいことに1走や6走はあえて志願してくれた選手もいた。
優勝タイムからは時間差もあるけど、チームとしてはいい結果だ。考えてみれば渋谷はそのチームで望める最高の結果を目指すチームである。常勝にこだわらない。そのことが良いかどうかは別として、そういう歴史を歩んでいるのは確かである。だから渋谷らしい結果だということもできるだろう。

LAPCENTERの記録は、客観的な成績を瞬時に示してくれる。だから、数時間後には世界のどこにいてもCC7の結果は手に取るようにわかる。

しかし、それはあくまで数字で見る結果。それが成績の全てかもしれないけれど、その数字が出てきた過程を見ることはできない。CC7の現場で起きた様々なドラマは、残念ながら僕には伝え聞くことはできても、体感することはできない。
考えてみればWOCであれ五輪であれ、その競技の現場を体感した者と、結果だけを見たものとのギャップは常に生まれるものである。そしてそのギャップが、時として摩擦を生む。
いや、競技に限らない。仕事でも政治でも、なんでも数字と現場のギャップは常に摩擦を生むもんだ。

なんか、思いがあらぬ方向に飛んだ。

強化の現場は森である。そういう意味では、少しでも現場に脚を運ぶべきだなあ。
今の自分にはそういう視点も必要になっている。

木曜日, 8月 21, 2008

すごい!

少し古い話題。

WOCで中国女子チームがあと一歩で表彰台の7位に。

「すごい!!!」

何が凄いって?

1つ、もちろん中国女子の大躍進。同じモンゴロイドの日本人としてとても勇気付けられる。個人的にはLiJiさんの大ファン。小柄だけどテンポ良く走るスピードはさすがオリンピック選手!

1つ、オリエンテーリングの競技レベル。シドニー五輪1万mで7位をとったLijiさん(日本なら福士、渋井レベル!)を初めそれに負けない走力を持った選手を要する中国。
国を挙げての強化から4年間、レース前にはチェコで2ヶ月の集中合宿を組んでも、入賞までは届かなかった。それを超える競い合いが入賞以上のラインでは繰り広げられている。


そういえばドイツのL. Alexander選手も3000m、7分台の陸上エキスパート。
WOC1走を走り10位で帰還。大助談「あの兄ちゃんやっぱ速いっす」といいつつ序盤は同じペース。

転向組みにすぐ上位を取られてしまうような競技とは違う、オリエンテーリングの奥深さ、風格みたいなものを再認識。

日曜日, 8月 17, 2008

25日後の登山

人間は1人1人がブラックボックスみたいなもの。
中の仕組みはそれぞれ違う。まあできのいい部品もあるしそうでないものもある。個性的な部品もある。そういうのを組み合わせて皆頑張ってる。だから同じ刺激を与えてもその反応は人それぞれ。だからこの世界は面白いし、逆に戦争も絶えないのだろう。
だけど時々、同じ刺激に、揃えたように同じ反応が出てくることがある。きっと出てくる過程は様々なんだろうけど、生物学でいう相似性のようなもの?

例えば、WOC出場という刺激で例えると、日本では何故か予選より少し下に結果が収斂する。皆それぞれ部品構成、環境は違うのに。そんなのも一例。
こんなのも一例。WOC後、大抵の人の場合、その後数週間のんびり期間になる。ある意味当たり前。でも、3,4週間くらいたつと、オリエンテーリングではなく、山に登りたくなるらしい。これはきっと有意に頻度の高い反応である。

WOC同僚のブログを徒然に見ていて、なんか笑ってしまった。このお盆山に行った人が多いなあ。それぞれ独立に。そして、自分も時間を見つけて山に登った。

お盆中は2歳の娘と二人で実家に帰省。乳飲み子と格闘する妻に、もう二人の面倒を見させるのは酷だからだ。 
実家とはいえ都会のど真ん中。茹だるような暑さの中では娘連れで外出するのも辛くインドアが基本。五輪のテレビ観戦の他といえば、近所のアンパンマンの映画くらい。そんなお盆はあまりにも辛い。
父母に大分慣れた娘の様子を見て、1日時間をもらった。車を借りて朝2時過ぎに出発、南アルプスの広河原から北岳、間ノ岳へ登った。昼には下山して夕方家に戻る日帰り登山である。
チェコ以来の不整地である。天気も良く景色も最高。実走6時間弱、登りはトータル2000m強だったけど、幸い体も意外と元気だった。
そして久しぶりの筋肉痛がなんだかとても気持ちよい。焼いてしまった肩の日焼けが少々無用心だった。

帰って地図を見ると、「いや、次は日帰りで農鳥まではいけるかも」と段々欲がわいてくる。TJARに出る選手や、あるいは柳下君のような領域にはとても届かないけど、なんとなく彼らの追い求めるロマンをすこし味わったような気がする。


火曜日, 8月 12, 2008

五輪と母と辛口のコメンテータ

北京五輪がようやく盛り上がってきた。


今日は北島の100mの話題でもちきり。あれほど強いと鳥肌が立ってくる。競技者としてただ尊敬するのみ。
僕らの世界でも、ティエリーやシモーネのように、常勝の強さが信じられない選手もいるけど、同じ日本人に、あれだけ勝負強さを発揮した選手がいると、僕らの潜在的な民族的コンプレックスを一蹴してくれる。背が低いとか、寸胴だとかそんなのはいい訳さ、って。

一方、全体的な五輪の成績は前評判に比べると低調らしい。これからまだまだだけど、今までのところ日本選手の成績が期待されたほどでない。

見ていて残念なの確かだが、そこには選手の色々な表情、心境も垣間見えてくる。それはそれで心に訴えるものもある。
例えば谷なんて、今まで正直それ程好きな選手ではなく、4年前連覇したアテネの時もほとんど興味はなかった。だけど今回終わった時の表情やメデ ィアへの毅然とした対応を見て、彼女の背景~子育てのハンディや年齢と戦い~が垣間見えたようで、しんみりと来て涙を誘った。

一方で他国の選手に目を移すと、個性的な選手、素晴らしい選手が世界には沢山いて、ふとテレビを見ながら俄かフ ァンになる。普段馴染みのない国のアスリートの美しさにその国の風土や文化を想像するのも愉しいもんだ。水泳を見ればノルウェーのオーエン選手や韓国の朴選手なんて、伸び盛りの若者らしいオーラがいっぱいでなんとも魅力的ではないか。

ナショナリズムは感じるけれど、日本チームのメダルはメインディッシュではな い。スパイスとまではいわないけれど、他の見方がたくさんある。

ただそういう楽しみ方はあまり一般的でないらしい。
「やわらちゃんは金じゃなきゃものたりないな」、無神経なコメンテータの言葉に驚いた。女性アスリートならではの苦労も想像できないのか。
あるいは、昨日実家で本を読んでいたら、テレビを見ていた母が興奮して「やっと 金メダルとったよ!」と知らせに着た。彼女には、「誰」が「なんの競技」で「どんな風に」優勝したかは問題ではな く、日本に初の金メダルが訪れたことが重要なのだ。

別に母を責めるつもりはなし、コメンテータの言葉も評論の一つ。メダルの数勘定に忙しいメディアを通じた今の日本は全体的にはそういう傾向にある。いやむしろ考えてみれば、メダルという結果重視の見方、世間の厳しい目が、スポー ツに対する正しい見方なのかもしれない。

僕の場合、そういう見方に辟易してしまう。しかしそれは、自分が競技で成功することの難しさ、色々な矛盾を感じ、結局克服できなか ったことで、五輪でも失望した競技者への共感を生み、敗北への許容を生んでいるのだろう。

シュートを失敗して、この世の終わりのように天を仰ぐ選手。
「なーにあれ、へたくそ、ぜんぜんだめじゃん」、テレビを横目で見ながら一蹴する母。
あ~、自分は絶対にあんなこといえないなあ。あのプレーだって、何百万人の選手から選抜された素質が、それこそ何万回の練習を繰り返した結果だと思うと。

でもそれは、アマチュア的な、主観的な「がんばった」を軸に評価する甘い見方なのだろう。

渡る世間はなかなか厳しい。

自宅や実家で娘の面倒を見てのんびり過ごす週末を送っている。大分リラックスした、いや、もう少し正直に言えば怠惰な生活をしている。
WOCを目指してトレーニングしていた時、自分は生き生きとしていた。そう2歳分くらいは若返っていただろう。その反動で終わった直後は脱力感で生気が消えた。数日で一気に3歳分くらい老け込んだ。

結局差し引き実年齢分歳とって辻褄はあってるわけだ。それをこの10年以上繰り返してきたのだ。

この数日、ようやく急速な老化進行が止まった感がある。五輪を見て元気を取り戻し た。
そう、そろそろせめて数ヶ月分くらいは若返えろう

水曜日, 8月 06, 2008

第二子誕生

予定日より2週間早い帝王切開なので、2600gとだいぶちびで生まれた。娘のままごと人形と殆ど同じ感覚。良く生きてるよな、この大きさで。

それでも、おやじの放蕩生活なんてつゆ知らず、のんびりあくびしている。顔や背中にうっすら産毛がたくさん、毛むくじゃら君。僕に似て将来毛深くなりそうだ。

これでイベント尽くしの7月がやっと幕を閉じた。今週中には退院予定。

築30年、居間4.5畳+寝室6畳の木造ボロアパートでいよいよ親子4人の生活が始まる。
軒が重なる懐かしい下町風情の街並みとはいえ、流石にこのままじゃ昭和30年代ドラマ。
Always三丁目じゃあるまいし、もう少し広い家が必要だなあ。



金曜日, 8月 01, 2008

WOCの写真

チェコのWOC期間中に、カナダチームのWil Smithと、Holgerが写真を沢山撮ってました。「Attack Pointから見られるよ」と教えてもらったので見てみると、かなり沢山の写真をとってます。しかも上手い。

オフィシャルサイトよりいい写真多いかも。

見てみると日本の選手も結構います。

信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...