水曜日, 5月 04, 2022

UTMF2022 その3 U4 精進湖~U7 山中湖

U4 精進湖 0時15分(IN 8:45:33 OUT 8:51:22 )


田舎雑炊が出ており、暖かい食べ物を初めてすする。この雑炊が最高に美味しい!雑炊に交じった漬物のしょっぱさが身に染みる。今日は夜でも気温がそれほど下がらないので、知らず知らずのうちにミネラルを失っているのだろう。お代わりしてよいとのことなので2杯目も頂いた。次の区間は3時間以上が確実なので水の補給もしっかり行って走り出す。

短い樹海のトレイルを超えると、ここから魔のロード区間。漆黒の樹海脇に伸びる単調なロードが40分ほど続くUTMFでも嫌いな区間の一つ。微妙な登りのロードは一番苦手で昨年この区間で数人に抜かれている。

走り始めて数分、案の定楽しそうに会話する二人組の選手にすっと抜かれた。どんまいどんまい、無理はしないしない。

肉体的にきついわけではないが、変わらない風景の中単調な身体の動きをひたすら繰り返すことに精神的な苦痛を感じる。腰の回転を意識してペースを維持しようとするが、そろそろ10時間も経過し、腿の筋肉に張りを感じる。

時々げんこつで腿を叩き、蹴り上げのかかとを腿にまで引き付けて走りながらストレッチをする、すると、この刺激でしばらく脚が動くようになり少しペースがあがる。

少し走っては腿に拳骨、かかと上げのストレッチ、これを1分程度の間に繰り返す。単調な走りの気晴らしにもなった。

昨年よりペース維持は出来た感じはする。抜かれたのもその後1人だけだった。苦痛のロードもやがて終わる。右折して再び樹海の中の闇のトレイルに吸い込まれる。

しばらく微妙な下りが続く、と、数十m前を行くライトが突然乱れ、地面に落ちた。

かなり激しく転んだように見えた。「大丈夫ですか?役員呼びましょうか?」と声をかけたところ、かなり痛そうにしながら「大丈夫です」との返事。しばらく様子を見たが、立ち上がって歩き始めたので、大丈夫と判断して先に行くことにした。

樹海のトレイルはかなりでこぼこした溶岩の石が浮いている。夜道は要注意だ。

国道を潜り、やがて足和田山への緩い登りが始まる。

この登りはどうにも中途半端だ。10時間走った身体にとって走るには急すぎる。なるべく速足で登っていくが、傾斜も緩くて心拍もあがらない。この手の区間はあまり得意でない。案の定、1,2人と抜かれていく。

だらだらと山場もなく登り基調のトレイルが続く。途中から2,3人の集団になんとかついていった。そろそろ緩い登りも飽きた頃に最後のちょっとした急登で足和田山を登り切り、下りに変わった。すると、遥か眼下に富士吉田の街の灯が樹々の向こうに見えた。随分と登ったな。無理せずリズムをつくって下って行く、先ほどおいてかれたランナーを一人二人と抜いていく。これがいつものパターン。

眼下に見え続ける街の灯はなかなか近くならない。多少の登り返しも何度かあり、随分くだったな、と思った頃にようやくロードに出てた。2019年までならもうすぐエイドである、が今年はエイドの位置がだいぶ伸びた。役員の「あとエイド7km」の声に少し憂鬱な気分になる。

また再び平坦な走り区間。ただし、微妙な登り、ロード、砂利道、微妙な下り、とわずかだが変化もあるので、先ほどの樹海脇より気分はまぎれる。平坦であればまだまだ走れる。最後短いトレイルを抜けると富士急がすぐ先に見えた。

あと少し、というところで、ずっと後ろにライトを感じていた選手に、すっと抜かれた。欧州人のような手足の長い長身で適度な筋肉に覆われた後ろ姿に、はっとした。ゼッケンを見ると1900番台、なるほど、45分後にスタートした山本健一選手だ。

もう40代にはなるが14年前7時間30分台でハセツネを優勝した選手。さすがに筋肉の質や走るフォームにオーラがある。ついていける気はしないが、ここまで45分差ならまだまだいい感じではないか、と少し勇気づけられた。


U5 富士急ハイランド 3時35分 (IN 12:05:14 OUT 12:20:11)


毎年10分を目安にピットインしていたが、自分の中で今年はもう少し時間をかけても良し、とした。

ドロップバッグを受け取って、まずはTo Doリストを確認。Tシャツ、靴の交換は不要。眠眠打破とRed Bullで明け方の眠気防止。食料は思ったほど消費しておらず、アミノバイタルとジェル、そして意外と食べやすいくずもちをカバンに押し込む。時計の充電を少しの間行う。

残念ながらここは暖かい補給食がない。しかたなくバナナを食べて水を補給し15分で走り始める。


を進めながら、ここまでのレースを振り返る。足和田山で失速した昨年に比べればここまで大きいトラブルはなく悪くないはずだ。胃腸もあまり調子よいとは言えないが、食べ物は受け付ける。少し腿の筋肉に張りがあるのは気になるが、まあ毎年の話だ、なんとか乗り切れるだろう。

次への区間は今までの国道沿いではなくぐるりと一旦高速道近くまで回り道をするコース。緩い登りの砂利トレイルをちょこちょと走る。カフェインはが効いたのか、身体がリフレッシュした感じがある。途中ロードに出てからも自分なりに緩い登りのペースを維持できる。1,2名の歩いている選手を抜いた。

下りトレイルに変わったころからほんのり空が明るくなってきた。わずかに明るくなった明け方の森は大好きだ。この至高の時にトレイルを走れていたのはラッキーだ。20分ほどのトレイルを終えて再び市街地に入り、小倉山に登る頃には大分明るくなった。1,2人と抜き、1,2人と抜かれる。そんなペース。

その後市街地を繋いで忍野に向けた山越えルートを進む。ゆるい山道の登りは幾人かの集団の先頭となり、元気に進めた。いよいよ林道を登りつめ急斜面のトレイルに変わる。ここは富士山の絶景ポイント。振り返って何度か見とれてしまう。今回は惜しみなくレース中雄姿を見せてくれた。過去のUTMFの中でも間違いなく富士山の当たり年だ。

急登で集団にあっという間に離されてしまう。登りが極端に遅いなあ。あせっても仕方ないので再び一人でとぼとぼ走る。

やがて尾根を下ってロードに出て忍野の盆地に降りていく。旧忍野エイドを過ぎ、小さな小川沿いの砂利道に入る。2019年はエイド直後のこのパートで失速したが、今年は登りで置いて行かれた選手に追いつき、ペース維持して走れる。再び、腿のげんこつとかかと上げストレッチで刺激を入れてペース維持する。


U6 忍野 6時29分 (IN 14:59:33 OUT 15:05:07)


あまり何をしたのか記憶にない。次のエイドが近いのでそれほど補給に力を入れなかったと思うが、5分以上かかっているので椅子に座ったのだろう。そろそろ疲れてきたのか。

5分でも休憩してしまうと、脚が固くなる。エイド前のロードで無意識のうちに頑張りすぎたのだろうか。重くて動かない脚に愕然とする。心拍も100台まで落ち込んでしまう。

焦らず歩を進める。10-20分で砂利道も登り基調となり、早歩きで歩を進める。

追いついてきた選手が一緒になった。「きついですね」の一言から、会話が展開した。滋賀から初参加という人だった。山中湖からがとんでもないコースだから、まだまだこれからですよね、なんて会話をしたと思う。こういう初参加の選手も増えてるのだろうな。100マイルレースも選手層の底上げが進んでいるに違いない。。。

やがて少し斜面が急となり、僕の方が少しだけペースが速いのか、だんだん先行して、そのうち滋賀の彼はつづら折りの先で見えなくなった。その後コースではあってない。

大平山を通過。下りは丸太の間が浸食で削られた嫌らしい階段。幸い、丁寧に土嚢が詰められていたので、リズムよく土嚢の上をステップ踏んで降りていく。それほど苦にならなかった。

さらにもう一回平尾台の急登を頑張り、そこからは一路山中湖に向けた下りとなる。

途中、両側藪で覆われたえぐれた登山道をリズミカルに下っていくと、道をあけてくれる選手がいた。ふとみると西城選手だった。2019年も山中湖手前でお会いした。信越100マイルでは120km付近でお会いした。100マイルではいつも後半似た位置を走っている選手だ。

どちらかというと僕が登りに弱く、下りで抜くのがパターンらしい。



0 件のコメント:

信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...