土曜日, 4月 29, 2023

UTMF2023 その2 前半 

 スタート 21日 14:30 第1ウエーブ

もう6回目のスタートながら、スタート前の1分は「本当に明日の夕方まで走り続けられるのかしら」、と心細くなる。ここでは自分を信じるしかない。ふと我に帰るスタート直前、隣にいた二人組の選手と軽く目線を合わせて健闘を祈った。英語なので、どこから来たの?と聞いたら韓国の選手だった。

スタートの合図とともに、歓声と人混みで混沌とした中走り始める。

数分走るとすぐに林道でそこからは長い下りなので前半は身体に優しい。昨年A1までを慎重に行き過ぎて、A1手前の鉄塔下トレイルで何度か渋滞してしまったため、今年は少しペースを上げてみる。心拍でいうと135-145の間くらいか。登りでも150は超えないように注意する。

鉄塔のアップダウンまでくると昨年より周りの選手の密度もまばらで、渋滞もほとんどなく走ることができた。このあたりは起伏も適度に気持ちよく、あまり無理せず周りのペースに合わせて走る。エイド近くのコースレイアウトが少し変わっており、何度かなだらかな森の中の道を折り返した後にエイドに到着した。


A1 富士宮 23.8km 2:20:41

次の区間はレース中最長である。それほど暑さは感じなかったけど、水は両肩のフラスク1Lに加えて手持ちのフラスク500mLに8割ほど入れて持つ。コーラとバナナを1本食べて出発。

市街地のロードとトレイルを縫うように抜け、用水路の脇を走っていよいよトレイルの登りで歩き始める。このあたりはちらほら抜かれてちらほら抜く程度。途中の林道を超えるとそこから急登。SUUNTOの高度計を見て残りの登りを時々チェックしながらひたすら歩く。1200mを超えるとようやく頂上らしきものが見え、スタートから4時間ちょっとで天子が岳到着。ここでヘッドランプとハンドライトを点灯、尾根線を痩せ尾根の岩場も交えながらアップダウンを繰り返して高度をあげる。この手の起伏は好きなので気分よく走る。

そろそろ熊森山が近づくという頃に、細い尾根の脇で小休止しているエルワンさんを抜いた。エルワンさんはマラソンでは僕より全然速いけど、100マイルは似た位置で走ることが多く、2014年以来レース中かならずどこかで会っている。今年はここで見かけたのが最後だった。

熊森山からの下りは得意なのでリズミカルにペースを維持して下っていく。途中1人ぬかしたと思う。10分ほどで林道に出てここからはあまりペースを上げすぎないように注意して重力をうまくつかって走ることを心掛ける。

30分ほど走って平坦となり、そこからはほぼフラットなトレイルを走り続けることを心掛けて進む。水は幸いまだ少し余っており、水分補給は十分だったと思う。

A2 麓 51.0km IN 6:49:21 OUT 6:53:17

今年は今のところ胃は元気なようだ。今までで始めて富士宮焼きそばを食べたがおいしい。少し胃にずっしり来る感じもしたけど、ゆっくり走る分には問題なさそう。次のエイドは近めなので水の補給も片方だけ満タンにして走り出す。

エイドを出てしばらく一人で闇の中を走る時間が長かったが、やがて追いつかれた集団と抜いたり抜かれたりのパックになる。ほぼ平坦な道を50分ほど走り続けて龍ヶ岳の登りに差し掛かるところで男性2名、女性1名のパックになる。女性は今見返すと、総合3位の大渕選手だった。ここまでほぼ同じペースで何度か一緒になっている。

登りに切り替わると、自分は弱いので、集団に前に行ってもらい、後から追いかけるようにして登った。途中から急登に切り替わりじわじわ差がつく。20分ほどの登りで差は1分ほどついたが、いつものパターンで折り返しの下りでまた追いついた。その後平坦になったところでつい調整良く走りすぎてコースアウトしてしまう。幸いライトをつけて走る選手の集団が違う方向に向かうのを見つけて、3,4分のロスだろうかそれほど大きな痛手にはならなかった。

A3 本栖湖 61.3km OUT 8:41:44

このエイドは一番簡素なつくりで、水は水飲み場で補給、食料は身延饅頭のみ。あまり食べる気はしなかったが、補給は欲しかったので一つもらってかじりながら歩き始めた。

ところが身体があまり饅頭を欲しないので、2口くらいかじって途中で食べるのをあきらめた。エイドからは20-30分ほど緩い登りが続くがここは毎年苦手な区間で、かならず数人に抜かれる。今年も一生懸命歩いているつもりでも、2,3人にすっと抜かれてしまった。

登りが終わり、尾根道のアップダウンになる。毎年ここからはペースを取り戻すのだが、今年はやや疲れてるのかエンジンがかからない。その後も時々抜かれることが多かった。最後のパノラマ台の登りでも一人抜かれた。

パノラマ台からの下りは毎年と同様に、数人を抜きかえす。そして平地になってからはまた3,4人に抜かれるパターン。ただ昨年に比べると少し粘りがなく、ペースが鈍っているか。

A4 精進湖 73.1㎞ IN 11:01:58 OUT 11:07:27

田舎雑炊をもらい水でぬるくして、口に注ぎ込む。柴漬けが染みる程美味しい。少し疲れてる感じだし、次は苦手なロードが続くので、少しでも椅子に座って気分を入れ替えた。

次は2番目に長い区間である。この区間は、ロード→山→ロードの3区間に分かれる。

エイドを出てまずは樹海のトレイルを進み、苦手なロード区間が始まる。昨年は脚の筋肉痛を拳骨で覚醒しながら走ったが、あまり使いすぎは良くないと反省し、今年は身体が動く範囲で腰を使って進むことを意識する。

途中いつもの通り1人の選手にあっという間に抜かれた。中盤くらいまで来たところで、遥か前に、時々車のライトに照らされて、ランスカ姿の選手のシルエットが見え隠れする。

少し元気づいてペースを維持すると、やがて姿は大きくなる。歩いたり走ったりしているようだ。もうそろそろロード区間が終わり、という頃に追いついた。6位になった伊東選手だった。携帯で楽しそうに誰かと話しながら走っている。ふと時計を見ると2時半、一人でとぼとぼ真夜中に走ると寂しくなるし、だれかと話して元気をもらっているのかな。

彼女は僕が追いついたところから再び走り始めた。走るスピードは僕よりはるかに速い。あっという間に前に行ってしまい、そのまま樹海のトレイルに消えていった。

第1ステージが終わり第2ステージがはじまる。足和田山だ。前後にライトもなく1人で登りはじめる。傾斜はゆるいが走るにはきつい。せっせと歩いていくがすぐに2,3にライトが後方にゆらゆら見え始め、すぐに抜かれた。なぜ自分はこんなに登りを歩くのが遅いのだろう?と不思議になる。心拍も110くらいまで下がってるのでもっとペースを上げられても良いのにあげられない。

去年もその前も同じだったのであまり焦ららないよう自分に言い聞かせてぺースを貫く。1時間くらいでようやく登りが終わり、そこからは下り基調。前にも後ろにも選手はいないので、淡々と下った。

第2ステージが終わり、第3ステージは再びエイドまでのロード区間。途中自販機でぶどうジュースを買って飲んだ。身に染みる程美味しく、エネルギーにもなって残り区間への元気が湧いた。この区間も1,2名抜かれるが気にせずペースを維持。空がしらけてきて夜明けが近づいてくる。短いトレイルを走った後国道沿いから富士急ハイランドに到着。






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信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...