金曜日, 9月 21, 2007

CC7

駒ヶ根のCC7が終了。

稀に見る接戦で最後の誘導までもつれたレースは、多摩OLの劇的な優勝で幕を閉じた。
トレイルランでもますます活躍する円井君が最後のスプリント勝負をものにした。
7走を走っていた自分はその現場に居合わせてないが、結果のラップや、写真からその緊張感が伝わってくる。クラブカップもまるでユッコラかティオミラのような、何時間も何人もつないだ上で1秒を争う面白いレースに、また1歩近づいたようだ。

我等、渋谷は6位に滑り込み。7年連続のpodiumを確保した。
競技場に一旦戻る2周するコース設定の3走を、新加入のジョージ君がマークドルートを辿りそこない、後半ループを2回まわるはめになるハプニングがあった。他の人の1.5倍走ったことになる。
彼自身はスタート前にそのことを認識していたが、レース中には忘れてしまったのだという。
レース後はすっかり落ち込んでいたが、「15分の借りをこれから毎年何分かづつ返します!」という言葉に本人も廻りも元気を取り戻した。
優勝候補の一角だったし、終わってみれば残念な結果かもしれないが、不思議とチームに沈んだ雰囲気はなかった。
リレーには負けたが、ジョージ君の参加でチームとして慢性的なマンネリ感から抜け出たような、そんな爽快感があったからだろう。やはりチームは新陳代謝が必要だ。


さて、自分のレース。
こんなに焦りを感じて、緊張したレースも久しぶりだ。

夏以降トレイルランに精を出し、トレーニング量はこなしていたものの、レースの結果では大スランプに陥っていた。富士登山駅伝、競走、御嶽スカイレース、あらゆる結果が、全盛時の15~20%の体力低下を示していた。長いレースで、疲労をためがちなことを差し引いても、日本のトップオリエンティアと対等に渡り合える状態ではない。叩いても伸びない、もうそういう身体になってしまったのか、弱気な考えが常にちらつく夏だった。
結局状態を改善できないままに、9月になった。

短い距離ならなんとかなるかも。
そういう淡い期待も15日の駒ヶ根スプリントで見事に打ち砕かれた。
ほとんどミスなく、心拍も180前後まで追い込んだレースで、トップ加藤と10%の差がついた。
実際ミス率は加藤と並んで参加者中最低、巡航スピードで調度10%の差がついている。

これではさすがに7走でいい走りはできるわけがない。
オリエンテーリングに関しては若干自身過剰気味の自分でも非観的にならざるを得ない。
こんな時には肩書きも苦痛にしかならない。
「アンカーは全日本チャンピオン」 クラブのみな誇りにしてくれるが、自分としては重すぎる荷を背負っているような気分だ。
クラブカップでこんな重圧を感じるなんて。
半ば遊び気分で参加していた20代の頃からは信じられない状況だ。
「篠原と変わって欲しい」進言すべきか悩みもしたが、彼もそれ程良い状況にあるようには見えなかった。
しょうがない、あたって砕けるしかない。

タッチを受けるまでの展開が、緊張を少し解いてくれた。
8位でタッチを受け、順位を上げればよい状況は、代表レベルの選手が追ってくる展開に比べて遥かに重圧が軽い。前を行くのはぞんびーずの小野田君。その他上位集団の脱落者をかわせばいい。ペース的には少なくとも負けることはないだろう。

スタート後、きつい登りの1,2は思ったより身体が動いた。身体に鞭を打つだけ反応する。悪くない証拠だ。3番の手前で小野田君を捕らえた。これで7位。6走のランナーも何人か抜かしてペース良く4,5とこなす。森でのオリエンテーリングが全日本ぶりとは思えないほど地図が良く見えている。トレイルランを多く走っていたせいか不整地での踏ん張りも良く効く。「もしかして結構いい状態かも」レース前数日間の不安はどこかに消えてしまい、ペースも気分もどんどんよくなっていった。
7→8のきつい登りをこらえると、9、10、11と下り基調でルートプランニングが鍵を握る得意のレッグが連続する。途中10秒程度のケアレスミスはあったがほぼノーミスでこなす。これはいい感じだ。
ただ、もう一人抜かなければ6位にはなれないことはわかっていた。前を走るランナーが気になりだした。しかし青いゼッケンは見ても赤いゼッケンはいない。そんな中で集中力を少し失ったか。12番番号読み違いで30秒ほどミスを犯す。
13以降はコンピである。たとえ誰かに追いついても離すのは厳しいかもしれないと思っているところに、前にOLP兵庫のユニフォームが見えた。ゼッケンは赤。よし、これで6位確保!
そうこうしているうちに、13のアタックとなるがコントロールが見当たらない。
見通しの聞かない森で多くの選手が右往左往している。皆同じコントロールを探しているようだ。
道からの距離感からしてもう少し先のはず・・・、と進むと白地に青のテープが張り巡らせて合った。立入禁止がこんなところに、地図を見てもそのような記載はないが、おそらく奥の民家の敷地に近いところにきているのだろう。引き返してみるがコントロールはやはりない。
OLP兵庫もコントロールを探している。彼の同行を目の端におきながらもう一度地図を見直す。やはりショートしている。もう少し進んでいいはずだ。第一、コントロール付近の小径を見ていない。思い切って進んでみると、立入禁止と思っていたテープの向こうにコントロールが見えた。およそ1分半のミス。OLP兵庫も先にパンチしている。(後で気付いたがこのテープは競技と関係のないものであった)
このミスはやむを得まい、そう直ぐに割り切れて次のレッグに向かう。脱出で右目に向かうOLPに対して直進目に進んだ。スピードコンプレックスに悩まされてる自分としては仕掛けられと弱い立場にある。が、どうもOLPはその気配はない。片山選手は結構つわもののはずだが、疲労しているのか調子悪いのか、怖さはまったく感じなかった。とにかくこちらとしては願ってもない。次のコントロールのアタックの時点では先行し、そのまま振り返ることなく先行したままコンピをこなす。
ラス前へのアタック後、グラウンドからの「6位だぞ」という声に安心した。あとはタイムの方、13のミスはあったけどそれ以外はいいペースのはず。区間順位を一つでも良くすべく、最後の誘導も出来る限り頑張って走った。ここでも身体はこたえてくれた。HR最大193はこの距離のオリエンテーリングでは限界値に近い。

結局、俊介と松澤君からは2分程度差の区間3位であったが、12,13のミスを考えると今の自分にしては考えられないくらい上出来な結果だった。夏の間のスランプはなんだったのだろうか、今となっては不思議に思えてくる程の思いがけない走りだった。

やはり自分は根っからのオリエンティアなのかもしれない。
無意識のうちに、数あるレースの中からクラブカップに向けてピーキングをしていたのだろう。
夏のトレイルは惨敗に終わったが、
初秋のオリエンテーリングはなかなかいいスタートを切った。

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信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...