水曜日, 9月 23, 2009

ダボスの丘



調度昼食時を迎えた白樺荘のレストランは、これからロゲインに向かう参加者で賑わっていた。色とりどりのウエアが、ちょっと欧州風を装ったレストランの外観に何故かとても映えて見える。参加者は明らかに昨日までのクラブカップと客層が違う。その違いはなんだろう?服装?表情?もっと内面的なものだろうか?
お腹をすかして我慢できない二羽のひな鳥に早めのえさを与えながら、ぼんやりそんな風景を眺めていた。

食べ物必要かしら?、水はどのくらい?迷いながら仕度をしていた妻も漸く準備が整った。
じゃあね。頑張ってきて、ほら、ももちゃんもママがんばってって。
レストランの窓から、妻がスキー場の芝生の斜面をスタートへ登っていくのを見送った。

息子はすでに手にもったパンをこねくり回していた。もう食欲も満たされたらしい。
いったい食べたんだか、ちらかしたんだか分からない二羽の周りの机や椅子にちょっとげんなりしたが、ウエイターさんに迷惑かけない程度に片付けてから、息子を背負子に乗せ、娘の手を引いてレストランを出た。
さあて、こちらもこれからたっぷり3時間。

「お山に登りに行こうか」
この数日間、何かと娘にそう予告していた。その都度、娘は分かっているのかいないのか「うん!お山に行こう」と元気良く答えた。小さい頃から、「お父さんはとことこお山走ってるんだよ」とばかり母親に教えられてた彼女には、きっとお山はなにかとってもいいことがあるところだと思ってるのだろう

コンビニでおやつの牛乳とビスケットを買い、白樺荘の向いの芝生の斜面を登ってダボスの丘を見上げた。
「うわあ、あの三角なんだろう?」娘は開けた丘の上で青い空に突き出たケルンを見上げて聞いた。
「さあ、なんだろう。いってみようか」

シュナイダー記念塔まで高低差数十m。走れば5分とかかるまい。しかし3歳の娘の手を引いて登ると、それは天国への階段かと思うほど、果てしなく遠い。それでも娘は、乗り気なのか、いつものだっこおねだりもせず、階段をとことこ登りはじめた。

しかし流石に3分もすれば疲れてしまう。そのうち二人で取り決めを作った。
「ももちゃんががんばって歩いて疲れたらだっこ。でもオトウサンもコウイチ君背負ってるから、ももちゃんだっこは疲れちゃう。だからオトウサンが疲れたら、また歩いてね。」
3、4回そのサイクルを繰り返しただろうか。腕の筋肉が悲鳴を上げた頃に到着。
記念塔の周りはゆるい丘となり、まるで広い広場のように開けた草原になっている。そして所々にこんもりとした針葉樹の森がある。あまり日本では見慣れない風景だ。ダボスの丘という名前の由来どおり、スイス的風景がそこにある。
広い草原にぽつぽつと、ピクニックを楽しむ家族が見える。そしてその先、はるか尾根を緩く登った先には、今朝登頂した四阿山、根子岳が見える。朝食までの時間をもらって走ってきたが、四方の見晴らしはすばらしかった。

数百m先の草原の中に1本独立樹が見えた。その脇にわずかにちかちかとオレンジ色の旗が見える。よし、あそこまで行ってみよう!娘と一緒に歩きはじめた。
45番。案の定、それはロゲインのコントロールだった。あたりを見回すと四方少なくとも2、300m先までは見渡せるが、当面選手が向かってくる様子はない。しばらくその木陰に背負子をおろし、おやつタイムにした。
牛乳とビスケットをかじると、二人はフラッグをいじったり、枝や草をいじって遊びはじめた。
丘を通り抜ける気持ちよい風を感じながら、芝生にしばし寝っころがった。
30分ほどのんびりしただろうか。その間、コントロールに訪れて応援できたのはたった1選手だけだった。ゴールに近いだけあって、通過する人のほとんどはスタート直後かゴール直前なのだろう。

気づくと午後の風は少しだけ冷たくなってきた。もうそろそろいい時間である。妻が通過するかもしれない、という淡い期待はあきらめ、娘の手を引いて戻ることにした。
さすがにくたびれたか、娘の足取が千鳥になり、そのうち座り込んだ。いつものパターン。また行きの約束どおり、歩いたりだっこしたりで、ゆっくり下山した。

会場はゴールした選手がそろそろぽつぽつ現われた頃。2時40分にはほとんど人はいないが、2時50分前くらいになると急激に増える。妻もその頃ゴールした。一箇所ミスをして悔しい思いをしたらしい。無料のクエン酸飲料を美味しそうに飲んだ。
そのうちお決まりのカウントダウンがはじまる。疲れた体に鞭打ってゴールに急ぐ幾人かの選手に周りから声援が飛んだ。
そしてカウントダウンが終了。レースは幕を閉じた。

いくつかのハードルを越えて家族で遠征した今回の菅平。
せっかく用意してくれた主催者には申し訳ないが、参加できたイベントは限られている。クラブカップも結果は残念だった。
それでも、家族で十分楽しめた3日間だった。オリエンテーリングがなければ、混雑の予想されるシルバーウィークに家族4人ではるか遠征することもないだろう。菅平の素晴らしい思い出をつくることができたのは、こうした楽しい大会を用意していただいた主催者の皆さまのおかげである。大変感謝したい次第である。















2 件のコメント:

Fujishima さんのコメント...

たぶん応援していただいた唯一の選手です。ありがとうございました。お互いにカメラを向け合ってしまいましね(笑)。
http://picasaweb.google.co.jp/lh/photo/DyXmOqnvoSVP6u1bVA19xA?feat=directlink

KK さんのコメント...

写真見させてもらいました。ありがとうございます。お蔭様で、あそこまでえっちらおっちら登っていた甲斐がありました!
ところで、調度半ばほどの時間で通過しましたが、その後はどこを取りにいったのでしょう?

信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...