月曜日, 3月 19, 2007

Spring has come!




Spring Cupはもともと欧州のシーズン幕開けを飾る大会である。




スカンジナヴィア半島より少しだけ早く春の訪れるデンマークなどで、選手が冬の厳しいトレーニングの成果を始めて披露する場がスプリングカップである。怪我で調整の遅れている選手、上位を耽耽と狙う若手など、仕上がり具合は選手によってまちまちだけど、新しいシーズンを占うわくわくするイベントでもある。

そんな本場欧州の匂いがする日本のスプリングカップだった。



今年は、日本のエリート選手にとって、欧州の選手と同じように冬場にたっぷりトレーニングするチャンスが与えられた。カレンダーを見ると5月のWOC選考会、6月の全日本、8月のWOCに9月のクラブカップ、10月の全日本リレー。6月から10月に主要な大会が続く。例年全日本が3月にあるため、夏のWOCとシーズンのピーキングがスプリットしてしまい、その調整に苦慮する選手も多くいた。しかし今年は夏を中心としたゆるやかなピーキングが可能で理想的なスケジュールである。

3月はまだまだプレシーズンマッチ、そう位置づけて、まずはこのレースを本格的なオリエンテーリングの復帰戦に選ぶ。

娘もようやく9ヶ月。妻との家族会議の結果、娘を連れて1泊2日の遠征をすることにした。娘にとっては実家などを除けば始めての外泊。さすがにそれなりの宿を・・・と十里木高原のクリッククラックに宿を取った。



あまり人見知りをしない娘には何かと助かっている。土曜日は翌日のレース調整で妻と二人で交代で森に行ったが、その間特にぐずることもなく、初めて会う多くのオリエンティアにも緊張する様子もない。夜はペンションで離乳食にご満悦、羽鳥家のかわいい姉妹にもかわいがってもらった。赤ん坊とはいえやはり子供同士で遊んでもらうのが一番楽しそうだ。


さて日曜。妻のスタート時間は10時40分、僕が12時。妻が僕のスタート前にゴールできるか微妙。子もちのオリエンティアが多くいるので、誰かに少しの間娘をお願いすればよいが、あまりレース前準備ができないことを想定して、朝に軽いジョギングをして体をほぐしておいた。

案の定妻は僕のスタート時間が近づいても戻ってこない。ロブの奥さんが快く娘を引き受けてくれたのでアップを始めた。10分程度のアップだけどロングコースだし朝にジョグもしてたので体は問題ない。結局妻は81分でゴール、ぎりぎり間に合わなかったらしい。

同時スタートのワンマンリレーは初体験。スタートからリレーの1走のようななんともいえない緊張感。スタートと同時に、動物の群れのように谷に落ちていく。始めの数分はセルフコントロールに集中。2番に向かう途中で漸く自分のリズムを取り戻してくる。富士でのレースは久しぶりだが、思いの他ナビゲーションは違和感ない。

10分もするとスタート直後の集団の気配はほとんど消えた。パターンがいろいろ別れているのだろう。時々加藤が見え隠れする程度になる。無難に1週目をおえて会場へ向かう。

会場で「トップと3分差の4位」というアナウンス。まさか、さすがに20分で3分差が付くレース内容ではない。パターンによって長短があるのだろう、そう信じて2週目に。2週目は序盤のショートレッグで1分近いケアレスミス。坂本や西尾に追いつかれるが直ぐに彼らも違う方向に消える。また一人旅。2週目を終えると加藤と一緒になり、再び「4位」のアナウンス。

その後3週目に入った直後にまた30秒のミスを2つほど犯す。ややいただけないリズムだ。

ファイナルループに入ったロングレッグで、どこからか集まった加藤、柳下、小泉が現れて集団を形成。そのうちまっちゃんも含めて最大時は5人となる。終盤だれそうな部分で、集団を形成できたのは幸運だ。

集団のペースは決してきつくないが、飛び出すほどの余力もない。集団の前方で付かず離れずのレースがしばらく続く。ルートが分かれたのぼりのロングレッグも11のコントロール付近でまた集団を形成する。結局会場を通過する終盤では柳下、加藤の3人になった。

もう残りは4,5分である。地図を見ても勝負どころはない。小手先の仕掛けは逆効果になるだろう。あとはミスしない集中力を保つこと、最後にぬかれない気力を持つこと。

ラス前に向かう登りでひしひしと近づいていた加藤が後ろからスパートをかけてくるのが分かる。こちらもまだ余力はあったのでギアを変えてしかけに答える。ところが、、、加藤のスパートは見事だった。すっと前に出られるとコントロールを先にチェックして荒地の中へ消えていく。

必死にスピードを上げてついていくが、勝負は既に決まっている。荒地を越えてグラウンドが見えたときはもう加藤は遥か崖の下に降りて最終コントロールをパンチしようとしていた。

結局加藤とは13秒差の4位でゴール。最後の1分程度のレッグで13秒の差はショックであるが、この間のラップは決して遅くはない。加藤が圧倒的に速すぎた。
集団をずっと共にしていた柳下は9秒後に5位でゴール。そのあと少しあってまっちゃんがゴールする。

上を見ると、トップの俊介は約4分半差。5%以上の差だ。やはりこのくらい差がつくか。決して悪い感覚のレースではないが、前半ペースが上がらない感覚があったのでその分差がついたようだ。

現時点ではぎりぎりの及第点75点くらい。やはり登りは圧倒的に遅く俊介に5-10%差がついている。反面藪の部分ではほとんど差がない。オリエンテーリングへのチューニングは登り主体にすすめるべきか。


「なんで最後加藤君に抜かれちゃったの?」賞金を取り逃がしてちょっと残念そうな妻に聞かれ、

うーんやっぱりトレーニングの差かなあ。
なにくそ次は見ていろ、という気分にはさせてくれた。

息がようやく落ち着いてきて、顔を洗いに洗面所に行って鏡をみて驚いた。

「あー、ひさしぶりにやっちゃった・・・」

翌日上司に「どらえもんの髭」と形容された無数の傷が頬についている。
Oウエアを着てると違和感ないが、ネクタイの上にくると異様な顔になる。
仕事で客先へ行く予定が近々なかったのが不幸中の幸いだ。




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信越100mile 2022

<レースの記録を忘れていたので後から記載>  START 18:30  日没して約30分、暗闇の中スタート。序盤はスキー場の中の登りとトラバースを繰り返す。 2,30分で下りからロードに出てそこからは比較的平坦のパートが続く。1時間30分くらいで斑尾山に向けて急登が始まる。...