金曜日, 3月 05, 2010

保健所

自分はそれほど育児参加に熱心な父親とはいえない。

専業主婦の妻に甘えて、平日はせいぜい早く帰った日に風呂に入れるくらい。休日は一日一緒にごすこともあるけれど、頻繁に家族をおいて一人で森に行ってしまう。子供と接している絶対時間はそれほど長くないかもしれない。

ただ、ひとつだけ妻と取り決めて守ってきていることがある。それは子供たちの検診に連れていくこと。

これは意外と良いアイディアだったと思う。検診前にはまず問診を書くが、そのためには最近のわが子の状況を把握しなければいけない。もちろん実際検診に行ったときの質問にも答えられるようにしなくてはいけない。さらに半日子供と一緒にいて、医者や保健士、ほかの子や母親の中でどんな反応を示すか、社会への適応性を見る良い機会にもなる。まあ、たまにやってくるお父さんの「子供理解度チェック」みたいなものだ。

子供手帳を開いてみると、半年、9,10カ月、1歳半、2歳、3歳と、日本の子供はよくまめに検診があることに気づく。子育てがしにくい社会と批判されることもあるけれど、これだけ行政がまめにチェックしてくれる機能があるなら、まんざら言われてるほどひどい状況でもないのではないか、と正直思えても来た。

さて仕事の合間を縫って半休をとり、息子の1歳半の検診のため午後の保健所に向かった。上の娘と足せばもう何度も経験しているので、それほど戸惑うこともない。だいたい2時頃いっても、ひとつひとつで待たされるので4時過ぎまでかかる。
待合室はもちろん、お母さんと子供たちであふれかえっている。父親も来ているカップルは10組に1組あるかないか程度だろうか。意外なことに、父親だけというのは自分以外に見かけたことがない。
さすがにこの雰囲気の場は少し手持ち無沙汰になる。友達同士が多いママネットワークの賑やかな会話をよそに、椅子のはじにちょこんと二人で座って絵本を見ながら順番を待つ。

ようやく呼ばれて問診室へ。息子を連れて保健士にあいさつをすると少し意外な顔をされる。
「お父さん、、おひとりですか」
「ええ」
「立派なお父さんですねぇ、ええっとお母様は。。。」
どうも検診に母親が来ないのは何か事情があると思われるらしい。
誤解されてもいけないのであわてて、
「あ、子供の検診だけは僕が行くと約束してるので。。。」
と付け加える。

今日の検診は、1歳半の正常な発育を試すテストもある。テストといっても大したものではない。積み木を重ねる、積み木を手渡す。犬や電車などの絵を見て、いわれたものを指差す、などだ。
2年前に娘はすでにぺらぺらしゃべっていたのに比べて、息子はまだほとんど意味のある言葉をしゃべらない。頭の発育はのんびりしてるんのだろうと、たぶんあまり理解できないかも、保健士に話してからテストがはじまった。
ところが、実際やってみると、なんだ、そこそこきちんと理解してる。親もしらないことができた。

「あら、ちゃんとできるじゃない。お父さん、過小評価しすぎですよ。」

と保育士さんにたしなめられてしまった。

歯の検査、身長体重(これはわが子は二人ともちびやせ傾向である)、健康診断を無事終了。
帰り際、保健士さんに呼び止められた。
「次は2歳検診です。またお知らせをお送りしますね。でもそれまでの間に、何か心配なこととかあったら、遠慮なく連絡下さい。また、もしかしたらこちらからお問い合わせさせていただくこともあるかもしれませんのでその時はどうぞよろしく。」
若いきれいな保健士さんだったので、二つ返事で答えて保健所を後にしたが、妙に気にされて、やっぱり母親の来ないことが何か心配されたのか、とちょっと気になった。

帰って妻に話をすると、「昨今の虐待とかもあるからじゃない?」
なるほど、そうかもしれない。ここ数日、親のネグレクトで幼児が死亡する事件が連続した。親として見るに堪えない記事だけど、保健所にしてみるとそうした事件を未然に防ぐためには、おせっかいと思われるくらいの態度をとらないといけない事情もあるのだろう。

いろいろな職業の人がいてこの世の中はなりたっているのだけれど、仕事それぞれにいろいろ大変なんだあと感じた次第である。保健所の皆さまに感謝。

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