月曜日, 1月 01, 2007

大島一周



「大島に行かない?」

と妻がはじめに言い出したのは11月のことである。
何につけても、念入りに計画する彼女はすでに年末年始の予定表とにらめっこしていた。
「まさか、娘連れて?」半分冗談と1度は聞き流したのだが、だんだん本気であることに気付いた。

富士登山駅伝でも活躍する市民ランナークラブ「ハートブレイク」恒例の年末年始合宿には、31日に大島一周というメニューがある。厳しい連日の練習の中でも、一際ハードでアップダウンの激しい42kmはマラソンよりはるかにきつい。でも島一周という分かりやすい内容に、クラブ外の人もよく参加する。僕自身もオリエンティアのタクさんの薦めで数年前に1回参加し、とても気に入って、2年前には妻と参加した。妻は大嵐の中走る羽目になったがそれでも大島一周の魅力に取り付かれたようだ。

かといってまだ1歳にならない娘を連れて行くことはできない。
結局、彼女は実家のご両親に相談し、どうやら1日預けることにOKをもらった。

今年の大島は幸いにも晴れ、景色も良く見えそうだ。
6時半にハートブレイクの選手が泊まっている宿に到着。
今年は琢さんや大井さんといった常連のオリエンティアのほか、許田君や、田所君といったメンバーも来ていた。
前日には、自転車で大島2周とか、自転車1周のあと30km走とか、タフな練習をしているようでちょっとびっくり。
さすがにガッツ溢れる若者達。

妻は5時間以上かかることを予想して、キャメルバックも背負って7時半には一人で走りだす。

その他、各々のペースに合わせて走り始め、本隊は食事を済ませた9時半に宿をスタート、反時計回りに一周する。

大島は東京からわずか1,2時間で行けるにもかかわらず、長閑なところだ。
観光客が訪れるのは、北西側一体の街や観光施設と、三原山、大島温泉ホテルである。島の東側は街は一つもなく延々と道がつながっているだけである。しかしこの辺りはとても風景がよい。通称バームクーヘンと呼ばれる地層断面が続く崖や、筆島、大島裏砂漠に延々と続く道など、観光とは無縁の自然に会うことが出来る。僕も5年前、雄大な海に対峙するバームクーヘンの圧倒的な壁を見て感動し、また走りたいと思うようになった。


この大島一周は標高差は300m、累積の登りで800mある。距離は調度マラソンと同じなのでマラソン+5~10分程度のタイムと思えばよい。

はじめは大井さんと一緒に走り始めた。マラソン2時間20分台の大井さんには到底かなわないが、途中比較的平らな17kmの筆島あたりまではちょっと頑張って付いていくことに。

大井さんは途中、ウエストバッグからカメラを取り出してあちこちで写真をとって半分観光モード。立ち止まる分調度こちらのペースにうまいことあう。筆島まではほぼ4分kmのペースで。 海に浮かぶ筆島の風景がとても綺麗に見える。


ここから300mの急登。50~90m/kmで登るのでペースもほとんどキロ5分。20km程度でさすがに大井さんについていくのが辛くなる。その後もじりじりと離されるが、写真を撮る間に差が縮まる、というのを繰り返す。
登りきって裏砂漠を過ぎる。このあたりはとても東京とは思えない森の中の一本道。10年前にオリエンテーリングの地図もつくられた荒涼とした礫の砂漠が左手に続く。

大島公園へ向かう急坂をスピードに乗って快適に下っていく。ペースもキロ3分30で快調に。下りきった泉津あたりで2時間前にスタートした妻を抜かす。元気そうに走っているので大丈夫そうだ。

岡田港に向かうゆるい登りのトンネルを3つ抜けるあたりからさすがに疲労が見える。大井さんはとうに見えなくなってしまった。平地でもキロ4分の維持が難しい。やがて岡田港への分岐を過ぎると残り6km、ここからは極端な登りもないのにペースはずるずる落ちる。やはり35km過ぎの壁?2年前のタイムを意識してなんとかペース維持に努める。大島高校を過ぎてようやくゴール。

タイムは2時間56分、一昨年のタイムとほぼ一緒。5年前ともほとんど変わっていない。
体力レベルはほとんど変わってないところまで戻っていることを感じて少しほっとする。
クラブの方々も皆続々帰ってくる。妻も5時間半近くで無事ゴール。

急いで風呂に入って、昼を食べて、皆に挨拶をして2時45分の高速船に飛び乗る。


それにしても大島の上陸時間は約8時間半、そのうち妻は5時間半走っていたのだから、なんとも忙しい工程だけど、価値ある遠征でした。



ハートブレイクの皆さん、いつも部外参加を受け付けてくれてありがとうございます。そして幹事役をしていた許田君ありがとう。今シーズンのさらなる活躍期待してます。












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