恒例のユースキャンプが富士山麓で開催され、スタッフとして参加した。
2年前に始めた時はたしか20名程度の比較的こじんまりした合宿だった記憶があるが、3回目を迎えた今年はスタッフを含めて70名の一大イベントに成長した。
学生にとっては帰省から戻る途中で交通費が節約できる点や、宿泊費を含めた参加費が安価なこともあるだろうが、第2回までの合宿がそれなりの評価を得たと考えてよいだろう。今回は松澤君が中心になって、大人数の合宿をよくしきってまとめた。
トレーニングと講義が分刻みで進む合宿は、比較的時間にゆとりがある大学の合宿に慣れた学生にとっては満腹気味かもしれないが、競技に向かうスタンスを学ぶ場としては効果的だったはずだ。
世界を目指すというキーワードに今の時点で100%合致していなくても、インカレという明確な目標を持ってトレーニングに励む学生は接していて清清しい。尾上さん、鹿島田、番場さん、加藤君のメンバーでレクチャーした夜のセッションが、どれだけ彼等に印象を残したかが気になる。
そんな中で、幸いにして現役チャンピオン日下君が森を走る姿を見るチャンスにも恵まれた。フィィジカル面でも、ナビゲーション面でも、競技を始めて3年目とは思えないキレを感じた。ディスカッションでの自己表現は控えめな彼だが、往年の入江君を彷彿させるしっかりしたものを感じる。きっと良い選手になるだろう。その他にもいい筋の選手は複数いる。WOCレベルで叫ばれる若手不足は、2,3年後には杞憂だった、といわれているかもしれない。
久しぶりに学生の輪のど真ん中に入って、ふと悲しい事実に気付いた。
彼らと同じ目線で、コミュニケーションをしようと試みるが、気付くとディスカッションが一方通行になっている。皆静かに聞いているが素直すぎる。リアクションが少ないのだ。
知らず知らずのうちに、彼らとは先生と生徒の関係になっていた。
考えてみれば、彼らとの年齢差は15歳前後。ましてや今まで接したことのない自分は、とんでもない年上のベテラン。学校や大学の先生、教官との関係に他ならない。
まだまだライバル心を燃やしている自分にとっては少々淋しい気分だけど、そんな関係に変わってきても、彼らにまた違った角度で何かを与えることができるかもと思いなおした。
「気持ちはまだまだユースよ」
といって参加した妻。
彼女のように社会人になって競技を始めた人には、この世界はあまり親切なシステムになっていない。
純粋なオリエンテーリングの合宿初はめてだったので、色々と新鮮だったようだ。
妻はユースだけじゃなく、一般シニア向けの合宿開催を提案している。
大学以前から始めた人にはない視点だが、アドベンチャーレーサーからの転向組みも珍しくない昨今は、確かに企画としては良いアイディアかもしれない。
火曜日, 1月 08, 2008
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